

8月から9月へ、暦が移り変わった日の昼下がり……
千歳神社では、年に一度の例大祭が賑やかに催されている一方で
こちらはお馴染み、北海道千歳市の「宙マンハウス」。


でもって、顔を出したのはこれまたお馴染み。
「宙マンハウス」の居候、電波怪獣ビーコンである。

ビーコン「お~い、落合さん……
無駄に豊満な肉体、乳と尻に定評のある落合さんはどこっスか!?
ちょっとちょっと、コッチ来てオイラの話を聞いて欲しいっスよ~!」
落合さん「まぁ
、何ですのビーコンさんったら……
ただでさえ騒々しい、失礼極まりないったらありゃしない!」
ビーコン「お~、いたいたっス!」

落合さん「御用があるなら手短に、私は忙しいんです。
……下らない用事だったら承知しませんわよ!?」
ビーコン「おおう、何と言う偏見! そりゃ悲しい誤解っス!」
落合さん「むしろ、下らなくないアナタの話が今まであったか……
その辺、みっちり問い詰めたい気分なんですけどね。
……で、お話と言うのは?」
ビーコン「ああ、そうだったっス、よくぞ聞いてくれたっス!
実は今さっきまで、ネット通販サイトの掘り出しもん情報を
例によってチェックしてたんスけど……」

ビーコン「そしたらね、あったんス! あったんスよ!
オイラがず~っと欲しかった、セクシー水着姿のフィギュア!
しかも、思いもよらないお値打ち価格で!!」
落合さん「はぁ……で、それが私と何の関わりが?」
ビーコン「単刀直入に言うっスね、お金貸して……
いや、オイラの代わりに購入して欲しいっス!」
落合さん「……はぁ!?」

ビーコン「ちょ、なんスか、そのつれない返事は。
……これはオイラが嬉しいだけじゃなく、落合さん的にも
でっかいメリットのある案件なんスよ!?」
落合さん「(ジト目)……世迷言も大概になさいませ、ビーコンさん。
美少女フィギュアで、私に何のメリットがあるんです?」
ビーコン「ズバリ、オイラがフィギュアに腑抜けてる間……
落合さんは、オイラのセクハラに遭わずに済むんスよ!」
落合さん「(呆れ)……それですの、私のメリットって!?」

ビーコン「や、勿論ね、落合さんが望むなら……
セクハラの方は引き続いて続行ってことでもいいんスよ。
水着フィギュアと落合さん、まとめてペロペロ可愛がり……」
落合さん「……!!(ぷちっ)」

げ し っ !

落合さん「ねーいっ、黙って聞いていればっ!(怒)」
ビーコン「ひぇぇ~、オイラ的には超重マジなんすスけどねぇ~!?」

落合さん「全くもう、ビーコンさんときたら……
まだ今回のお話も始まったばかりなのに、何ですかっ。
アナタの下らなさは毎度ですが、今回は度が過ぎますっ!」
ビーコン「ヒヒヒ、褒め言葉と受け取っておくっスよ~☆」
落合さん「……っがー、どこまでも減らず口をっ!(怒)」
これもまた、ある意味では「宙マンハウス」の日常。
と、そんな身のない会話の流れにピリオドを打ったのは……
「ふぇぇん……宙マンさん、宙マンさ~んっ!」

息せき切って「宙マンハウス」の庭に駆けこんできたのは……
宙マン「やぁ、いらっしゃい、みんな!」

落合さん「そんなに慌てて、どうなさいましたの?
今日は皆様、千歳神社の縁日まで遊びに行かれたはずでは……」
ビーコン「まぁまぁ、何があったか知らないけど落ち着くっス~。
ンな、巨大怪獣でも出てきたわけでもあるまいし……」
みくるん「……ふぇぇ、出たんですぅ」
ビーコン「へっ?」

ピグモン「はわわわ……
あのね、ホントに出てきたの、おっきい怪獣さん!
だからもう、街のみんなが大騒ぎなの~」
ビーコン「……うげ、マジっスか!?」
ながもん「(ボソッと)ビーコンさん……ズバリ賞」

ビーコン「うあ~い、ズバリ賞っス、嬉しいっス~……
……って、そうでなくてっ!(汗)
ひぇぇぇ、アニキ、こいつァえらいことっスよ!」
落合さん「ビーコンさんのセクハラ去って、また一難……ですわね!」
宙マン「……むうっ!」
そう、今日もまたまた現れたのだ。
怪獣魔王が地球侵略のために送りこんだ、凶悪な大怪獣が!

ゴゴゴゴ……グラグラグラグラっ!

大地が割れ、ガラガラと音を立てて崩れ落ちる土砂や岩石。
そして、その裂け目から巨大な姿を現わしたのは!?

「ぐおおお~んっ!!」
みくるん「あぁっ、こっちへ来ちゃったですぅ!」

ピグモン「はわわ、あれなの、あの怪獣なの~!(涙目)」
ながもん「あれは……古代怪獣・ゴモラ」

ビーコン「や、知ってるっス、説明されるまでもなく!(汗)」
宙マン「ああ、何しろ有名な怪獣だからねぇ――」
落合さん「それに、何度もお見かけした顔ですもの!(汗)」
ゴモラ「ぐおお~んっ……あぁ、そうともさァ!」

ゴモラ「そうやって、顔と名前を覚えられてるってことは……
今まで何度も、親戚筋が痛い目に遭わされたってことさ。
……今日はその分の屈辱、まとめて返させてもらうからなぁ!」
ビーコン「どひ~っ、逆恨みもいいとこじゃないっスか~!」
宙マン「……あぁ、全くだよ!(汗)」

イフ「わははは! さぁ行けゴモラよ、思い切り暴れるがよい!
千歳の街を徹底的に破壊し、ワシらの前線基地を築く……
それこそ、ゴモラ一族の恥辱を濯ぐ唯一の道なるぞ!」
ゴモラ「ぐおお~んっ、やってやりますぜィ、魔王様!」

猛然と進撃を開始するゴモラ!
迫り来る巨体を前に、慌てふためいて逃げ惑う千歳の人々。
みくるん「きゃあああんっ、大変なことになっちゃったです~!」

ビーコン「これならまだ、オイラのセクハラの方がマシっしょ!?」
落合さん「それとこれとは全く別、比較対象になりませんからっ!」
ピグモン「はわわ、とにかく今は逃げるの~!(汗)」

地底を猛スピードで掘り進む怪力と、その巨体……
怪獣ゴモラは正に、その存在そのものが凄まじい凶器。
傍若無人に突き進むだけで街は破壊され、たちまち大混乱!

ながもん「おぉ……これは、色々……シャレに、ならない」
ピグモン「宙マン、宙マン、何とかしてなの~」
宙マン「ようし、やるぞ!
宙マン・ファイト・ゴー!!」

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。
華麗な空中回転とともに、荒れ狂うゴモラの前へ舞い降りる!

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!
それ以上の乱暴狼藉、見過ごすわけにはいかないな!」

ズ、ズーンっ!!

ビーコン「いよっ! 地域のヒーロー、千両役者っ!」
落合さん「ああ、この頼りがい……やっぱりお殿様ですわ!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

ゴモラ「ぐおお~んっ、出やがったな、宙マン!」
宙マン「古代怪獣ゴモラ、ここからは私が相手だ!」

全身にみなぎる怒りを力に変え……
ファイティングポーズをとって、敢然と身構える宙マン。

ゴモラ「ぐおお~んっ、あぁ、いいともさ、上等だァ!
親戚一同が今まで「可愛がって」もらった分……
まとめて叩き返してやるぜ、覚悟しやがれ宙マン!」
宙マン「さぁ来いゴモラ、受けて立つぞ!」

真っ向激突、宙マン対ゴモラ!
人々が見守る中、今日もまたまたスーパーバトルの幕が開く。

地中を猛スピードで掘り進む怪力、硬く鋭い頭部の角。
原始的そのものの攻撃、それこそが「怖い」のだ――
だからこそ宙マンも気を緩めず、冷静に相手の隙を伺っていく。

みくるん「(ハラハラ)宙マンさん……大丈夫……だよねぇ!?」
ながもん「(ボソッと)……信じるべし。
今、私たちに……できるのは……それだけ」
ゴモラ「ぐおお~んっ!」

咆哮をあげ、何度目かの突進をかけてくるゴモラ。
そこに生じた防御の隙を、決して宙マンは見逃さない。
宙マン「そォりゃっ!」

おもむろに、ゴモラの足元で回転し……
逆立ちとともに、両足で敵の脳天に見舞うカンガルーキック!
ゴモラ「ぎゃ、ぎゃいぃぃんっ!?」

ビーコン「っしゃ、上手いっス、さすがアニキ!」
みくるん「絶好調の優勢ですね、宙マンさん!」

落合さん「一気にとどめのチャンスですわ、お殿様!」
宙マン「(頷き)ああ、分かっているとも――」

宙マン「どぉれ、ここらで決めさせてもらおうかね!」
ゴモラ「(怒り)ぐぉぉ~んっ、そうはいかねぇんだよッ!」

ブゥゥーンっ! ブワゥゥーンっ!
宙マン「(怯んで)!?」

嵐の激しさで振り回される太く、長い尾。
ゴモラ一族の得意技、尻尾の連打攻撃が宙マンを襲う!
ズ、ズーンっ!

宙マン「う、うわぁぁぁぁ……っ!」
ゴモラ「ぐぉぉ~んっ、ど~んなもんだィッ!」
みくるん「ああっ、ちゅ、宙マンさんが!」

ながもん「そうだった……ゴモラは、あの……尻尾が、危険」
ビーコン「単純な攻撃ほど、当たるとデカいんスよねぇ!」
落合さん「これ以上直撃を受ければ、お殿様でも……!」
ピグモン「はわわ……宙マン、まけないでなの~!」

イフ「よ~し、よしよし、いいぞゴモラ!
ダメ押しの一撃を、宙マンに食らわせてやるがよい……
恨み重なる奴の脳天を、スイカのように叩き割ってしまえ!」

宙マン「(苦悶)うう……うっ……!」
ゴモラ「一族のモンの恨みだ……死んでもらうぜ、宙マン!」

「なんの、これしき……負けて、たまるかぁッ!」

宙マン、パワー全開!
ゴモラの尻尾をジャンプでかわし、大空高く舞い上がる。

ゴモラ「……な、なんとォォッ!?」
宙マン「くらえ! 宙マン・閃光波!」
ピッキュイィィーン!

高らかな音とともに、宙マンの手にストロボ状の発光が生じ……
次の瞬間、ゴモラのボディで激しい爆発が起こる。
閃光波の素早い攻撃で、古代怪獣を怯ませたところへ!
宙マン「とどめだ!
宙マン・エクシードフラッシュ!!」

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……
エクシードフラッシュの一閃が、ゴモラを直撃!!

ゴモラ「ひょんげぇぇっ……り、リベンジならずぅぅ~っ!」
やったぞ宙マン、大勝利!

ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!
落合さん「流石はお殿様、何て素晴らしいんでしょう!」

ながもん「さすが、宙マン……任せて、安心」
みくるん「よかった、ホントによかったですぅ!」
ビーコン「いえっふ~、アニキ、ありがとやんス~っ!」

イフ「うぐぐっ! おのれ、またしても宙マンめが!
だが、こんなことで挫ける怪獣軍団ではないわ。
この次こそは必ず……必ず、やってやるからな!」
……などと言う、怪獣魔王のいつもの負け惜しみはさて置いて。

我らが宙マンの活躍で、仲間の復讐だと息巻く古代怪獣ゴモラは
見事に撃退され、今日も平和は守られたのであった。
落合さん「改めまして……どうもお疲れ様でした、お殿様!」

みくるん「宙マンさんのおかげで、今日もめでたしめでたしですぅ!」
ながもん「おお、美しき……ハッピー・エンド」
ピグモン「宙マン、ほんとにありがとなの~♪」
宙マン「いやぁ、なぁに……
改まってそう言われると、テレちゃうなぁ!(頭かきかき)」
ビーコン「つーか、それにしても……
復讐だの何だの、怪獣軍団の懲りなさには参るっスねぇ!」

ビーコン「でも、それもアニキのお陰で綺麗に一段落っス。
ほっとしたところで、改めてフィギュア購入の相談を……
……あ、落合さん的にはセクハラの方がいいっスか?
ぐへへへ、だったら今すぐねっちょり、甘く激しく……」

げ し っ !

落合さん「ねーいっ、全く、このエロ怪獣!
ちっとも懲りないのはアナタです、ビーコンさんっ!!(怒)」
ビーコン「どひ~っ、このオチは綺麗だけど痛いっスぅぅ~」
宙マン「はっはっはっはっ」

命を懸けて、カラダも張って……
守り抜きます、正義の予定調和。
がんばれ宙マン、次回もまた頼んだぞ!


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