“静かな、田舎町の教会……
この窓に立つ、穏やかな顔つきのスタンレー神父が
実は、イギリス情報部の特捜員であることは誰も気がつくまい”
“しかし、ひとたびロンドン本部から「指令Ⅹ」が飛ぶと
スタンレー神父と助手マシュウは、秘密兵器「ミニマイザー」を頼りに
恐るべき国際犯罪網やスパイ組織の中に、敢然と飛びこむのだ!”
(『ロンドン指令Ⅹ』日本語版オープニング・ナレーション)
作品自体の地味なイメージや全13話という製作総数の短さから、21世紀プロの
スーパー・マリオネーション作品での知名度は低めながらも、特撮人形劇路線の
最終作に相応しい、人形のリアルな仕上がりと円熟のミニチュア特撮、そして
それらの要素と、ライブ・アクション要素との極限までの融合ぶりや、本編中の
いたるところに横溢するブリティッシュ・ユーモアの洒脱な楽しさ……などなど、
実に見所の多い通好みの佳作、『ロンドン指令Ⅹ(The Secret Service )』。
その毎回の開幕を告げるオープニング・テーマが、今夜ご紹介する本曲。
教会音楽の荘厳さと、スパイ・アクション路線のスリリングな軽快さという要素を
一曲の中に融合させ、素晴らしいマッチングの元に昇華してみせた本ナンバーは
ある意味、『ロンドン指令Ⅹ』の魅力と楽しさの全てが凝縮されていると言っても
決して過言ではない、と思います。