“しかし驚いたな……
まるで、宇宙から来た怪物みたいだな”
“えぇ、どんなところでも平気ですね”
(『サンダーバード』第2話より、アメリカ陸軍兵士たちの会話)
もはや説明不要の大人気作にして、スーパー・マリオネーション路線の代表作たる
1965年製作の特撮人形劇『サンダーバード』を華やかに彩った、故バリー・グレイ氏の
作・編曲による魅力的な劇中音楽の数々から、今回はこの一曲をチョイス――
旋律の美しさを思い切りよく廃し、重々しくのしかかってくるような音感の力強さが
全面に押し出された本曲は、第2話登場のゲストメカ・ゴング(サイドワインダー)や
第28話(英国放映版では27話)登場のゲストメカ・クラブロッガーの登場シーンにて
その半ば怪物然とした異様なルックスと、それに見合うだけの破格の超性能っぷりを
「音」の側面から力強くアピールし、21世紀プロ作品ならではの精緻な特撮ともども
視聴者の目を画面へと釘付けにしてくれた、まさしくあらゆる意味で規格外品である
“モンスター・マシン”のためのテーマ曲です。
そして本曲がひとつの呼び水となって、1993年製作『ウルトラマンパワード』における
劇伴“スカイハンターのテーマ”が誕生し、『パワード』の随所に挿入されていたことも
ウルトラシリーズのファン的には忘れてはならない事実でありましょう。