中国四大奇書と呼ばれる古典を原作とし、ドラマの材を求めながらも、古色蒼然たる
帰省の概念にとらわれることのない、当時最秀の特撮技術を駆使した奔放な画作りと
現在的なアドリブ性の強いやりとりの軽快さをも盛り込んだ筋運びの垢抜けた斬新さ、
そしてそれを可能にした、豪華にして個性派のベスト・キャスティングの魅力により
日曜夜8時のNHK大河ドラマを向こうに回して大健闘し、好評を博した伝説のドラマ、
1978年放映の『西遊記』。
そのTVドラマ版に歩調を合わせ、「挿入歌」としてリリースされたのが
『西遊記』ドラマ本編においては、第15話「鳥葬! 悪魔の生贄」において
三蔵法師に破門された悟空が、広い大陸のあちこちを、やり場のない悲しみのまま
あてどもなく彷徨するシーンに長尺で流され、その男臭く無骨な歌詞ともども
悟空のやりきれなさを視聴者にも共有させて余りある名シーンに仕立ててくれました。