地球の命運と人類の存亡をかけた、スフィアとの最終決戦。
……もはや一瞬たりとも気を抜くことの許されない、凄まじい攻防の中で
唐突に(それゆえの衝撃とともに)発覚した新事実……
既にカナタの肉体にも、
スフィアの侵食が始まっていた……!!
いや、毎回毎回ウルトラマンに変身して最前線で戦い続けて来た彼ですから
当然、スフィアとの濃厚接触率(←この言葉選びも「時代」ですかねぇ)が
誰よりも高いものであるのは考えるまでもなく自明のこととはいえ……
前回・23話の放映から2週のブランクを挟むことで、視聴者側のテンションを
冷ますことになりやしないか?……などと言う「こちら側」の小賢しい懸念をも
ぴしゃりと打ち据え、打ち砕くかのような衝撃の描写。
カナタ役・松本大輝氏の素肌へ直に特殊メイクを施されたスフィア侵食の様子が
やけに生々しく「分かりやすい」表現であるだけに、ところどころでカナタが
その激痛に胸を押さえて苦しむ姿ともども、痛々しい皮膚感覚の共感を伴って
最終決戦の緊張感がひしひしと胸に迫ってきます。
ウルトラマンデッカー 電脳魔人 DXテラフェイザー(対象年齢:3歳以上)
とは言え、そんな絶望的な状況であっても……
たとえ時間稼ぎに過ぎないと分かってはいても、目の前の困難から逃げ出さず
全力を振り絞り、全知の限りを尽くして作戦を遂行し続けるGUTS-SELECT。
スフィアオベリクスを巡る攻防戦の中、デッカーとテラフェイザーとが
もう何度目かになる攻防戦の火花を散らし……そんな中でも決して諦めることなく
アガムスの心に呼びかけ続けるカナタの一途さが通じてか、スフィアの侵食が進み
もはやまともな自我を保っているとすら思えなかったアガムスの意識が再び目覚め、
本来の自分を取り戻すに至る――
そう、ベタではありますが、どこかで必ずやっておかなくてはならない物語の帰結。
思えば「大切なものを守れなかった」と言う絶望と悔恨から、迷走に迷走を重ね
本当に自分が目指していたものは何だったのか、それさえ分からなくなるところにまで
追い詰められて(あるいは自分で自分を追い込んで)あまりにも矮小で、あまりにも
「人間臭い」その姿。
だからこそ、その迷走の過程で彼が犯してきた罪業への「落とし前」をも含めて
デッカーを庇ってマザースフィアザウルスの光線の直撃を受け、消滅する間際に
彼が発した言葉に紛れもない「未来を切り開いていく希望」がこめられていたことや
自らの自意識を呼び戻してくれたユリアの記憶とデッカー=カナタの行為に対して
「ありがとう」と、明確に感謝の言葉を告げてくれたこと。
それがせめてもの魂の救いであった、と信じたいのはカナタだけではないでしょう。
ウルトラマンデッカー ウルトラ怪獣DX マザースフィアザウルス
とは言え、そんな感傷だけでしみじみ終わらせてくれない最終章。
エタニティコアを狙い、遂にスフィアの母体が地球へと降臨してくるという
(アガムス曰く「ありえない」)異例の事態を迎えることに!
『ダイナ』時のグランスフィアと違い、具体的なキャラ性を帯びたデザインは
ともすれば壮大なSF宇宙的イメージを有するスフィアと言う概念の矮小化にも
繋がりかねないところですが、前年のメガロゾーア同様、超大型サイズの
着ぐるみを作成し、その圧倒的なボリュームによる視覚的説得力ばかりか
前年のヒーロー・トリガーを退け、テラフェイザーを完全消滅させてしまい、
そしてデッカーをも寄せ付けないと言う具体的にも程がある強さの描写(笑)で
物足りなさを全く感じさせず、最終章らしい気合の入りぶりが心地よいです。
何しろソフビ商品リリースから2週もブランク空けてますから、これで劇中での
暴れ方がショボかったら、ドッチラケどころの騒ぎじゃありませんが、その辺は
幸いにして、杞憂に終わってくれたようで良かったです――
ウルトラアクションフィギュア ウルトラマンデッカー ダイナミックタイプ(対象年齢:3歳以上)
ああ、いやいや、全然良くなかったですね(汗)。
そんなマザースフィアザウルスの圧倒的な強さの中、地球側戦力はほぼ総崩れ、
カナタへのスフィア侵食もシャレにならないほど進み……
ああ、これで本当に綺麗に片がつくんでしょうか、次週の最終回(汗)!!