”そんな風になってまで、あんたは……!”
「逆恨み」の一言で片づけてしまえば簡単なのでしょうけど。
あまりにもささやかな幸福を奪われた、とてつもなく大きな喪失感からの復讐心を
一体どこに、どうぶつけてよいかもわからぬまま、自らの体内にスフィアをとりこみ
大切な妻・百合後の幸福な時代の記憶までも失いそうになりつつ、迷走に迷走を重ね
もはや自分では立ち止まることも、引き返すことも出来ないところまできてしまった
どうしようもなくちっぽけで、矮小な……
そんなアガムスのあまりに「人間臭い」行動原理と、そのためにのたうち回る姿こそが
やはり今話における最大の眼目。
ウルトラマンデッカー 電脳魔人 DXテラフェイザー(対象年齢:3歳以上)
デビルガンダム細胞……ならぬスフィアの体内への侵食が急激に進み
(顔にスフィアが露出したメーキャップの痛々しさが鮮烈)、彼自身が
幾度もかみしめるようにつぶやき続けて来たバズド星時代の幸福な記憶まで
徐々に薄れて消えていきつつあることに、彼自身が何よりも怯えていながら
もはや振り上げた拳を下ろすことも叶わず、引っ込みのつかない状態で
デッカーに変身したカナタと殴り合うしかない、と言う展開の生々しさは
特撮班も気合を入れて演出したであろうデッカーVS テラフェイザー戦の衝撃が
周囲の市街地に甚大な破壊をもたらすビジュアル面での凄絶さとも相まって
より鮮烈に、よりくっきりと分かりやすく見る者の心をも殴りつけてきます。
……で、そんな本筋にも密接に関わってくる凄絶なドラマ展開の一方で
完全に割を食ってしまったのが、今回のゲスト怪獣たるチャンドラー。
「翼があるけれど飛べない」と言う設定のはずがバサバサ飛び回ってみたり
口から火まで吐いてみたり、と言った描写への違和感は、あくまでもこれが
初代『ウルトラマン』ではなく『デッカー』世界観内の出来事だから、ってことで
まだしも割り切ることは出来なくもないですが……
それでもアナタ、番組放映に歩調を合わせてわざわざソフビまで出るんですから
劇中における華の持たせ方と言うか、何と言うか……」
……もうちょっと、こう「あるだろう」と(苦笑)。
てれびくん超ひゃっかシリーズ ウルトラマンデッカー デッカー&ヒーローバトルずかん
そして凄絶なノーガードでの渡り合いの果て、双方ともに精魂尽き果てるかたちで
「痛み分け」となった勝負の直後に、デッカーの正体がカナタだったことを知って
リュウモンが呆然とする暇もなく……畳みかけるようんビ彼の前へと姿を現したのは
全ての記憶を喪って「白紙」の状態になったと思しきアガムスの……
無垢で、平穏で、それだけにあまりにも痛々しい成れの果て!
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次回のスフィア怪獣総登場とも絡んで……
次回の『デッカー』も「許して」くれなさそうです、色んな意味で。