遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

極彩色の挑戦の巻

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毎度おなじみの物語の舞台、北海道千歳市……

暑さが加速度的に増していく7月から、8月ももう間近。

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空模様こそ、生憎の曇り空ではあったものの……

連日の猛暑に晒され続けたここ最近の寝苦しさもある日々を思えば、

それもまたクールダウンのためには良い塩梅。

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そんなわけで、「宙マンハウス」と宙マンファミリーの午後もまた

適度な快適さで程よく力が抜けているような、いないような――

 

 

 

ながもん「って、それは……いつもの、こと?」

みくるん「(苦笑)ながもん、それを言ったらおしまいだよ~」

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宙マン「何にせよ、これぐらいのんびりの方が私には有難いかねぇ」

落合さん「えぇ、蒸し暑さもいい感じに引いて下さったことですし……」

ピグモン「はうはう~、寝苦しくないからお昼寝にももってこいなの~♪」

ビーコン「や、どうせならもっと有意義なことするっスよ、ピグモン

 そうっスね、例えば――」

 

……と、例によってビーコンが軽口を叩きかけたその時であった!

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ゴゴゴゴ……グラグラグラグラッ!

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落合さん「……あ、あらあらあらっ、これは!?」

みくるん「じ、地震っ!?(汗)」

宙マン「いや、この揺れ方はただの地震じゃなさそうだぞー―」

ビーコン「……ってことは、まさか!?」

 

そう、そのまさか。

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のどかな、平穏な時間を破るかのように……

不意の局地的大地震が、またまた千歳の街を襲った。

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大量の土砂を天高く撒き上げ、舗装道路をもやすやすと引き裂いて

地の底から今また新たに、その姿を現わさんとしている邪悪な影。

……果たして、それは!?

「ピュギュグググぅぅ~っ!!」

 

みくるん「ああっ、またまた怪獣さんですぅ!」

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ビーコン「カブトムシみてーでもあり、バッタのようでもありーの……」

ピグモン「えう~、いろんな虫さんの合いの子みたいなの~(涙目)」

ながもん「(冷静に)あれは……昆虫怪獣・メガロ

そう、まさしく昆虫怪獣メガロ!

かつてはその同族が、「シートピア海底王国」の守護神として崇められていた

地底生まれの恐るべき乱暴者である。

 

koumemylove4794.hatenablog.com

同族より更に毒々しく鮮やかな体色を有するメガロ亜種。

過去、第28話において宙マンと対決した同種の昆虫怪獣との差別化のため

ここでは便宜上”メガロⅡ”と呼ぶことにしよう。

 

メガロⅡ「ピュギュググ、そしてこの俺様が来た目的はただ一つ。

 怪獣軍団の地球征服の手始めに、千歳の街を全滅させることさァ!」

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ビーコン「どひ~っ、言っちまいやがったっスよアイツ!(汗)」

落合さん「ええ、それも……

 誤解や歩み寄りの余地もないほど、ざっくりキッパリとですわ!」

宙マン「ううむっ……何てやつだ!」

イフ「わはははは! さぁ行け、暴れろ、昆虫怪獣メガロ!

 お前のパワーの凄まじさ、地球人どもに思い知らせてやれ!」

メガロⅡ「ピュギュググ~、合点でさぁ、魔王様!」

怪獣魔王の命を受け、進撃開始するメガロⅡ!

迫る極彩色の巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う人々。

落合さん「さぁ、皆様、早くこちらの方へ!」

ビーコン「よいこら、ヒィこら、逃げろや逃げろっス!(汗)」

 

メガロⅡ「ピュギュググ、逃げ場なんてないんだぜ!」

メガロⅡの角から、勢いよく迸るレーザー殺獣光線!

凄まじい爆発が巻き起こり、ビルを次々に吹っ飛ばしていく。

ビ-コン「どひ~っ、マジヤバいっス、ハンパじゃないっスよ!(汗)」

ピグモン「はわわわ……宙マン、宙マン、何とかしてなの~」

宙マン「おのれ、もう許さんぞ!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、荒れ狂うメガロⅡの前に舞い降りる!

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宙マン「トゥアーッ! 宙マン、参上! 

 昆虫怪獣、悪ふざけはそこまでにしておきたまえ!」

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ズ、ズーンっ!!

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ながもん「おお。……いつもながら……頼もしい」

ビーコン「いよっしゃ、出たっス! アニキの十八番!」

落合さん「頼みましたわ、お殿様!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

メガロⅡ「ピュギュググ、出たな宙マン!」

宙マン「ああ、さすがにこれは目に余るもんでね。

 怪獣軍団の悪の使者、この私が打ち倒してやる!」

メガロⅡ「出来るモンなら、やってみやがれィ!」

遂に激突、宙マン対メガロⅡ!

闘志を乗せた言葉の応酬と、それ以上に苛烈な力と技の応酬――

落合さんたちが見守る中、いやが上にもヒートアップしていく巨大戦。

両手のドリル爪を、もっとも効果的に活用できる戦法……

フェンシングのような突きのラッシュで攻め立てるメガロⅡ。

その猛攻をかいくぐりながら、宙マンも果敢に相手の懐へ!

宙マン「正義のパンチを受けてみろ!」

メガロⅡ「いえいえ、折角ですがご遠慮します、なんつってな!」

そう、メガロⅡとて、易々と攻撃のチャンスをくれるわけではない。

接近戦を挑んできた宙マンを、頭部の角を活かした頭突きで後退させる!

宙マン「(よろめき)……ううっ!」

メガロⅡ「ピュギュググ、まだだぜ宙マン、こいつを受けてみな!」

出た、メガロⅡの得意技……

ぐわっと左右に開いた口から、勢いよく吐き出される地熱ナパーム弾!

宙マンに立ち直る隙など与えまいと、更にレーザー殺獣光線のダメ押し。

エネルギーの奔流が、大爆発とともに街を吹き飛ばし……

ヒーローの巨体をも、衝撃波で激しく揺さぶり倒さずにはおかない。

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グワーン! ズガガガガーンっ!

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「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

 

みくるん「ああっ……ちゅ、宙マンさんが!」

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ながもん「この、連続攻撃……かなり……キてる」

ビーコン「伊達に映画タイトルになってる怪獣じゃないっスねぇ!」

落合さん「(呆れ)……そんなトコに感心している場合ですかっ!」

ピグモン「はわわわ……宙マン、がんばってなの~!」

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イフ「わははは……無駄よ、無駄無駄、もはや我が怪獣軍団の勝ちは動かん!

 さぁメガロよ、そのまま宙マンにとどめを刺してしまうのだ!」

メガロⅡ「ピュギュググ……お任せ下さい、魔王様!」

宙マン「(苦悶)……うう……うっ……!」

メガロⅡ「ピュギュググ……にっくき宙マン、いよいよ最後だなぁ!」

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「な、なんの……負けて、なる、もの、かぁぁっ!

宙マン、残された気力を振り絞って大ジャンプ!

メガロ②のレーザー殺獣光線をかわし、空高く舞い上がっていく。

メガロⅡ「(驚愕)ぴゅ、ピュギュググっ!?」

 

「受けてみろ――宙マン・超破壊光線!!

両手の間にエネルギーを集中させ、激しいスパークとともに放つ大技。

「超破壊光線」の直撃を受け、火花を散らすメガロⅡのボディ!

メガロⅡ「ピュググぅぅ……あ、あと一歩だったのに~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

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みくるん「やったぁ、宙マンさんの勝ちですぅ!」

ながもん「さすが、宙マン。……グッジョヴ」

ピグモン「はうはう~、宙マン、今日もかっこよかったの~♪」

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ビーコン「やったやった~、アニキ、最高っスよ~!」

落合さん「ありがとうございます……お疲れ様でした、お殿様!」

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イフ「ぬうううっ……まさか、メガロまでもがしてやられるとは!

 それにしても宙マン、どこまでもにっくき奴よ。

 今に見ておれよ、ワシらの総力を挙げてお前を抹殺してやる!」

 

……などと言う、怪獣魔王のいつもの負け惜しみはさて置いて。

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我らが宙マンの活躍によって、地底の悪魔・怪獣メガロⅡは撃退され

千歳市には再び、のどかな平和が戻ってきたのであった。

 

ピグモン「はうはう~、改めて宙マン、お疲れ様なの~♪」

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宙マン「いやぁ、有難う。みんなの応援で、今日もどうにか勝てたよ!」

ビーコン「ヒヒヒ、さすがはアニキ、いつもながら感服しちゃうっスよ~。

 んで、状況が落ち着いたところで、さっきの「有意義なこと」っスけど……」

落合さん「(ジト目)どうせ例によって、下らない上にえっちなお話なんでしょう?」

ビーコン「……落合さん、もしかしてエスパーっスか!?(汗)」

落合さん「(呆れ)……好きで「読め」るワケではございませんっ!」

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宙マン「う~ん、それより何より、私はお腹がすいちゃったな」

みくるん「あ、それでしたら、ラーメンなんてどうですかぁ?」

ながもん「最近、見つけた。……凄く、おいしい……いいお店」

宙マン「(思わず身を乗り出し)……ほほぅ!」

味噌ラーメンの豊かなコクに、更なるメリハリを加えるガーリックチップ。

怪獣退治で体力を消耗した宙マンを癒し、元気をチャージしてくれるのは

香ばしさが湯気と共にたなびく、この一杯のラーメンなのであった。

 

今日も本当にありがとう、宙マン!

だが、未だ怪獣軍団の野望は尽きない……

さて、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?