遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンブレーザー』23話、見ました!

毎週毎週、次から次に現れる新怪獣……

その生態がもたらす脅威とバラエティ豊かなストーリーとドラマで楽しませてもらった

ウルトラマンブレーザー』も、いよいよ物語全体の締めくくり態勢に突入。

そんな『ブレーザー』最終章は、のっけから出現したデルタンダル(しかも複数!)

ブレーザー&アースガロンが激しい空中戦を繰り広げるシーンから開幕。

そんな中、そのデルタンダルのうち一体にアースガロンが有効打を叩きこむ様が

非常にさりげなく、殺陣の「流れ」の一環としてさらりと描写されるクールさは

やはり実に本作らしい美点のひとつで、これまでの番組と物語における蓄積によって

言葉を越えたかたちでしっかりと育まれていたブレーザーとSKaRDとの間の「絆」と

闘う仲間としての信頼関係をも実感させてくれ、番組を見続けてきたものにとっては

ぐっと胸に迫るものがあります――

 

そう、今日までの共闘と言う名の「コミュニケーション」を通じた関係性の構築こそが

真に大切なものなのであって、「アースガロンの単独キルスコア」と言う番組内要素は

全くの些事、「心底」ってつくレベルでどうでも良いことなンですよね(笑)。

ウルトラマン ニュージェネレーション英雄伝 (講談社 Mook(テレビマガジン))

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と、巨大ヒーローと防衛チーム相互の信頼が現場レベルで確かなものになっていきつつ

地球怪獣の出現頻度が増えて慌ただしい中、実はこれまでの戦いでのダメージの蓄積が

ゲント隊長の身体に必要以上の負荷をかけ、著しく消耗させていた事実が判明。

古株のうるさ型なら、ここで「おっ、ウルトラセブンの最終回かな!?」と言う反応が

まず何を置いても先に出ちゃうところなのでしょうが(笑)それはさておき。

 

SKaRDの任務、家庭人と組織人としての立場、現場指揮官と一兵士としての立場、

中間管理職としての「上」との絶えまない折衝と腹芸、そして何より宇宙の存在を

その身に宿らせたがゆえの、人類の誰も経験したことのなかった戦いの激しさ……

そう言った諸々の要素はこれまでの番組話数を通じてしっかり描写されてきましたから

ここに来ての「ゲント隊長の著しい肉体面での消耗」と言う要素にも違和感はなく

ひとつの物語に幕を引くのに際して、物語展開を適度に引き締めるスパイスとしては

きわめて妥当で言ってよいだろうな、と。

[バンダイ] ウルトラマン DXブレーザーブレス 最強なりきりセット

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むしろここは、肉体面での消耗が著しいゲント隊長を無理やりでも休ませるために

またしても体の主導権を一時的に奪って、自分を自分で殴り倒す(!)ことにより

強制的にゲントを気絶させ、医務室へと運ばせる、言葉でのコミュニケーションが

かなわない存在なればこそのブレーザーの肉体言語(笑)をこそ面白がるべきで。

 

思えばかつてのウルトラマンたちは、地球人と一体化して生命を共有しながらも

決してその深層にまで踏み込むことはせず、あくまでも地球人の自主性を尊重して

時に穏やかで理性的な会話も繰り返す人々でしたが……ひとつ基本設定のボタンを

かけ外してみただけで、物語中でのキャラクター描写とその意味合いはこんなに変わり

かつ物語をこんなに面白くするのか、と言う良い見本ではないでしょうか。

バンダイ(BANDAI) ウルトラ怪獣アドバンス タガヌラー

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と、そんな状況下、今度は世界各地に大小さまざまなサイズの怪獣タガウラーが

同時多発的に一斉出現し、茨城県小洗(!)に出現した大型種をアースガロンが、

アメリカに出現した大型種をブレーザーが迎え撃つと言うワールドワイドな急展開に。

 

緊迫する戦況の中、いくつも浮かび上がってくる重要要素と急展開――

かねてよりの最重要機密案件として、『ブレーザー』の物語に暗い影を落とし続けてきた

「V99」の謎に迫るべくエミが接触した市井のアマチュア天文マニアの独自調査により

バザンガ、ゲバルガに続いて地球に迫り来る第三の宇宙怪獣、「サードウェイブ」の

地球接近が示唆され、同時にティーテリウムを摂取して宇宙空間に強烈な熱線を放つ

タガヌラーの奇妙な行動は、生物的本能によって危険を察知し、外敵を攻撃すると言う

彼らの生態であり修正であったと言う事実が判明。

S.H.フィギュアーツ ウルトラマンブレーザー 約160mm 23式特殊戦術機甲獣 アースガロン PVC&ABS製 塗装済み可動フィギュア

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故にこそ敢えてタガヌラーにはとどめを刺させず、そのままビームを発射させるため

地球防衛隊がタガヌラーに向けて放ったサーモバリット弾を全弾撃墜してみせると言う

皮肉な形でブレーザー&アースガロンの「戦う仲間」としての絆の強さを改めて強調し

「怪獣対策に際して柔軟な現場判断の出来る組織」であるSKaRDの設定をも活かす

脚本・演出のタクト捌きに唸らされつつ……そこでのテルアキ副隊長の指令の意図を

的確に察して判断し、その言葉を先回りしてみせるAI「アーくん」の描写でもまた

チームの一員としてのアースガロンの実存を感じて胸に迫るものがあり……

 

思えば「アーくん」が実践導入されてからまだ間もないんですが、にも関わらず

少ない話数の少ない話数で適切にドラマ展開から求められる演技を導き出すのは

やはりベテラン人気声優・石田彰氏ならではの巧さですねぇ。

ウルトラ怪獣アドバンス ヴァラロン

ウルトラ怪獣アドバンス ヴァラロン

 

かくして緊迫した状況の中、タガヌラーのビーム攻撃で軌道がそれて月面へ落下するも

未だ地球にとっての大いなる脅威には変わらないサードウェイブ、「V99」……

そしてタガヌラーの爆発とともにブレーザーが(すなわちゲントが)生死不明になる中

次回、年明け後の放送一発目が、よりにもよってのほのぼのアニメ総集編(爆笑)!!

 

そりゃないよ~、この状態のまま二週間もお預けかよ~、と正直身悶える思いなんですが

年が明けてからの『ブレーザー』最終章も、気合を入れて見届けたいです!

ウルトラアクションフィギュア ウルトラマンブレーザー ファードランアーマーセット

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で、これは完全なる余談なんですが。

今回のタガヌラー出現地域のひとつが茨城県の小洗(!)であったと言うことで、

ついついそこの漁師町はアニメの聖地で、キャラパネルとかもあるのかなー、などと

あれこれ余計な想像をしてしまったガルパン脳(笑)。

 

ファンの大事な場所を守ってくれてありがとう、アースガロン(笑・違)!!