遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンブレーザー』24話、見ました!

バザンガ、ゲバルガ、そしてヴァラロン……

この地球と、その上に住む我々人類に対する何らかの明確な「意志」のもとに

次々と同一軌道線上から宇宙怪獣たちを送り込んできた正体不明の宇宙存在、

地球での仮呼称を”V99”。

「彼ら」が地球に宇宙怪獣を送り込んでくる目的は何なのか……

果たして地球人類への警告か、復讐か、はたまたもっと単純な侵略欲なのか。

そして、そもそもV99とは「何者」なのか?

 

また同時に現時点でもっともV99の秘密とその本質に肉薄し、「元」長官だと

事あるごとに嘯きつつ、未だ地球防衛隊の上層部に隠然たる影響力を持ち続ける

第66実験施設所長、ドバシ・ユウの思惑とその真意は?

 

劇中において印象的な形でそれらの謎が提示されていながら、最終回1話前の

現在になっても未だそれらが詳らかになっていないわけなのですが……

……むしろその隔靴掻痒をこそ『ブレーザー』の滋味と言ってはいけないでしょうか?

BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ) S.H.フィギュアーツ ウルトラマンブレーザー 約150mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア

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様々な物事が急激に進んでいく中、必ずしも「現場」にその全てが伝わるわけでもなく

官僚主義的で小回りのきかない巨大組織の一部として、時に理不尽な思惑にも左右され

常にベストの状態で戦えるわけではない中、可能な限り現場レベルの最善を尽くして

怪獣災害と言う未曽有の「事態」に対処し続ける人々の姿……

 

半ば硬直化した官僚組織の中での独自権限で毎回の事件に対処していくSKaRDにしろ、

変身を重ね続ければそれぞれの生命が危ないと知りつつも、心と体をひとつにしながら

眼前の危機へ立ち向かっていくゲント隊長とブレーザーにしろ、本作の主軸となる

キャラクター描写のドラマは、常にその一点において徹底し、筋が通ったものでした。

ビジュアルシリーズ ウルトラマンブレーザー 全バトルクロニクル (講談社 Mook(テレビマガジン))

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だからこそ、Mod4ユニットへの換装を完了したアースガロンでの月面出撃前の

SKaRD隊員たちの描写が、決して声高にはならないながらも、これまでの話数における

「キャラ描写」の重さと尊さがじんわり滲んで胸に迫ります――

 

ああ、とりわけ、「SKaRDがタガヌラー攻撃を妨害した」ことの全責任を負う形で

地球防衛隊の参謀長職を解任されることになったハルノ・レツの私邸を訪問した

ゲント隊長とのごく短い会話!

直接的に相手への信頼や心情を重んばるような言葉は一言も発せられないながらも

確かに根っこのところではお互いに「理解」しあえていると言うこの距離感は

明らかに「大人の間合い」のお芝居で、それを可能なさしめる本シリーズならではの

あの空気でなければ味わえない滋味もまた、確実にあるよなぁ、って(しみじみ)。

ウルトラ怪獣アドバンス ヴァラロン

ウルトラ怪獣アドバンス ヴァラロン

 

そして、そんな人々の思いのきめ細やかさと、なかなか容易に「謎」の尻尾を

掴ませない「焦らしのもどかしさ」との絶えざるせめぎあい(註:賛辞!)のなか

月面にその異様な姿を現した最強最後の敵、宇宙爆弾怪獣ヴァラロン!

 

昨年末の23話放映から3週間物お預けを食らう羽目になって(笑(、ようやくの

本格デビューと相成った「彼」ですが、そのインパクトはやはり抜群で……

自身の体がら次々と生体爆弾を生成し、その凄絶な爆発力によって月の軌道を変え、

地球に激突させてしまおう(!!)と言う思惑のトンデモなさ加減(それらの描写に

一定以上の説得力を与えて余りある特撮パートの頑張りがまた凄い!)、地球外の

未知の脅威であることを実感させつつ、グロテスク一辺倒に偏り過ぎない節度ある

デザイン&造形のかっこよさと説得力、(度重なる戦いで消耗していたとはいえ)

ブレーザーを終始圧倒し続けた、アースガロンをも退けた「強さ」!

 

先行発売された怪獣ソフビ「ウルトラ怪獣アドバンス」でも大きなウリになっていた

形態変化と言う分かりやすい強化とも相まって、この超強敵が地球にもたらす脅威を

SKaRDは、ブレーザーは、いかに打ち破るのか!?

 

それが知りたければ、これはもう来週の土曜朝9時もTVの前にばっちりスタンバイして

ウルトラマンブレーザー』に、チャンネルを合わせるしかないのです(微笑)。