遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンブレーザー』11話、見ました!

前々話のガラモン登場回、前話のデマーガ親子登場回……

表層上の「事件」にSKaRDが対応し、ブレーザーが活躍を見せるその水面下で

ささやかに、しかし確実な「かたち」を伴って具現化し、違和感を匂わせてきた

ゲント隊長の内面に「在る」意志と力との葛藤。

それらの要素が一話読み切りの単発、その場限りの使い捨て設定……と言うのではなく

きちんと各話間が有機的な経糸を通じて連動し、全編を通じた大河的ストーリーとして

ひとつの「流れ」を織りなしていくのは、1996年の『ウルトラマンティガ』以降

1話完結のSF怪獣アンソロジーの要素と、年間を通じて一本筋の通ったドラマ性とを

シリーズの中で併せ持ち続けることとなった今の『ウルトラ』らしさだぁ、などと

視聴者の立場であれば気楽に利いた風な小リクツこねて楽しんでられるんですが(笑)

怪獣対策の最前線において悪戦苦闘し、かつ現時点では隊長が自らの中の変調に対し

明らかに困惑もしているSKaRDの面々にとっては、それでは済まないのが辛いトコ。

 

まして宇宙の彼方から、かつてない未知の脅威が迫り来ている現状では尚のこと!

ウルトラ怪獣DX ゲバルガ

ウルトラ怪獣DX ゲバルガ

 

で、そんな危機的状況を地球にもたらしてくれた宇宙からの侵入者……

久々の新怪獣となる宇宙電磁怪獣・ゲバルガ君。

隕石のように全身を丸めたところから、ぐわっと四肢を開いて動き出すその様や

全身のヒトデ状のシルエットなどは、1997年の『ウルトラマンダイナ』に登場した

”吸血生命体・マリキュラ”の先例がありましたので、あまり新味は感じなかったものの

防衛隊のミサイル攻撃を悉く無力化し、アースガロンの多目的レーザーによる射撃を

自らの意志による軌道修正や減速飛行などによって小癪にも「躱し」、全身からの

電磁パルス放射で電子機器の正常な茶道を狂わせ、アースガロンを一瞬のうちに

操縦不能に陥らせてみたり、その電磁パルスを攻撃に用いた際の破壊力によって

ブレーザーをも退けてみたり……ニジカガチに続いて前後編のゲストを張るに相応しい

パワフル、かつ得体のしれない強さで朝から怪獣ファンを魅了してくれました。

 

そう、この「得体の知れない」ってのが現時点におけるゲバルガの重要ポイントで。

何か知らないうちに宇宙から飛来して、何か分からないままに大暴れして……

また、あの腹部にある「明らかに焦点の合っていないロンパリ眼」の不気味さと

意志や感情の「読めなさ」が、なおさらそれに拍車をかけていますよねぇ。

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

 

で、今回はそんなゲバルガ攻撃のための「時間稼ぎ」として出撃するも

ゲバルガが放った電磁パルス攻撃の前に、全力での退避……

文字通り、目の前の怪獣に背を向けて「逃げ出す」ことを余儀なくされた

我らが23式特殊戦術機甲獣・アースガロン。

 

その撤退指示にもゲント隊長の判断……ばかりではなく、彼の内側に存在している

ブレーザーの意志がどうやら関わっているらしいことや、そんな二人の意志が

ブレーザー登場後の戦いの最中でも再び衝突を繰り返したこと……なども含めて

これはドラマ本編の内容と連動したうえできちんとおのが役割を果たした証拠であり

ただ今回「逃げた」と言うだけの描写をもってアースガロンが活躍してない……と

安易に落胆したり糾弾したりするのはあまりにも愚かなわざではないかな、と。

 

明らかに前後編のカタルシスのための「溜め」の段階ですものね、今回は。

[バンダイ] ガラダマ雷鳴剣 DXチルソナイトソード

[バンダイ] ガラダマ雷鳴剣 DXチルソナイトソード

 

だからこそこちらも、ワクワクドキドキで……

この得体の知れない難敵・バザンガをいかに攻略するかと言うドラマ本筋の展開と

ブレーザーが手にする新武器とはいかなるものか、早くも来週が楽しみです。

[バンダイ] DXブレーザーストーン04 チルソナイトソードセット

[バンダイ] DXブレーザーストーン04 チルソナイトソードセット

 

えぇ、ここまでしっかり「大人の抑制」を効かせつつドラマ志向で魅せてくれた

ブレーザー』だけに、露骨な販促だけで終わるわけがありませんから(確信)!