遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンブレーザー』12話、見ました!

「お前たちが単独で撃破した怪獣が

        一体でもいたのか!?」

(『ウルトラマンブレーザー』第12話より、ハルノ・レツ参謀長の台詞)

……劇中におけるアースガロン、ないしはSKaRDの対怪獣戦の「実績」と言う具体数を

冒頭アバンパートにおける参謀長からのゲント隊長以下、全隊員への叱責と言う形で

改めて具体的につきつけられ、一部社会人にはあまりにも身につまされる描写で(笑)

冒頭から胃の痛くなるような(笑)負の緊張感とともに幕を開けた本話。

ウルトラ怪獣DX ゲバルガ

ウルトラ怪獣DX ゲバルガ

 

何とも世知辛く、やりきれない話ではありますが……

そもそも衝突や葛藤、対立や障害のないところにはいかなるドラマも生まれないのは

その是非を問う以前の厳然たる事実にして大前提ですので、巨大怪獣との攻防と言う

「究極的意味でのディスコミュニケーション」や、そもそもの地球防衛隊そのものが

様々な思惑や利害関係などが錯綜し合って、決して一枚岩の水入らずではないことは

1話からはっきりと明言され、なおかつ今日まで丁寧に描写が続けられてきたことで

それらの大前提の上で、本作は本作での「やるべきこと」をフツーにやってるだけで

別に「お子様向け販促番組だから」と色眼鏡をかけたり、変に割り引いたりせずに

真っ当なかたちの「ドラマ」として鑑賞できるのが本当に嬉しい『ブレーザー』です。

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

 

そんな状況をもたらした宇宙からの難敵、「生きたコンピューターウイルス」として

各地のインターネット状況に深刻な影響をもたらしだした宇宙電磁怪獣・ゲバルガの

EMP(電磁パルス)攻撃を封じ、怪獣を撃退するための手段として、9話登場の

ガラモンの残骸を研究・分析し、その高度と貫通力で怪獣のEMP発声器官を撃ち貫く

”チルソナイトスピア”が初登場したり、それを怪獣めがけて発射する手段として

5話以来の登場となるメガキャノンと開発部のヒラノ、そしてゲバルガ撃退作戦で

SKaRDの戦いを側面から支援してくれるのが、あの1話以来久々の登場となった

ゲント隊長指揮下の特殊部隊”エクセル6”の面々……と、ここまでの話数における

様々なエピソードやガジェットの積み重ねを有機的に活かし、万全の体制とともに

ゲバルガ撃退作戦に臨んでいく登場人物らの姿と、声高な口上やキメ台詞などなくとも

しっかり着実に盛り上がり、高まっていく物語のテンションは、奇をてらいすぎずに

為すべきことを着実に為す「大人」の在り方を感じさせてくれて好印象。

 

……そうそう、そうして一丸となってゲバルガ攻略に臨む「大人」たちの存在の中には

現場の人間たちがスムーズに動けるよう、事務レベルでの各所への通達や根回しなどを

滞りなく済ませてくれたであろう参謀長の存在も忘れるわけにはいきませんが……

ただ、この人の場合は別口にまだまだ危険な秘密を握って暗躍してるっぽいと言うか

その辺が仮にミスリードであるにせよ、いろいろ露骨すぎて目が離せませんね(笑)。

S.H.フィギュアーツ ウルトラマンブレーザー 約150mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア

 

S.H.フィギュアーツ ウルトラマンブレーザー 約150mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア

 

で、そんな人々の織り成す決死の奮戦と「想い」を受け取る形であるからこそ……

9話あたりから顕著になり始めていた「自らの体内に存在している「光」の意志」と

そのお互いの齟齬が、変身後における数々の奇行として(苦笑)顕在化してしまう

ゲントとブレーザーとの間における意思疎通、戦う意味と思いを確かめあっての

(その辺の描写を説明台詞に頼り過ぎずに見せる、演出の「節度」がまた良い!)

変身シーンが尚のこと胸を打ち、テンションが上がるのだと思います――

それまでの丁寧な描写の積み重ねがなされ、それでもなお「悪」が滅びないと言う

ギリギリの状況下で現れてくれるからこそ、ヒーローはヒーローなのです。

 

人類の絶体絶命のピンチの時、忽然と顕れる神風のごとき怪人

 

そう。

今回のブレーザーの姿こそは、正に初代『ウルトラマン』の企画理念においての

原初の巨大ヒーローの根源的な魅力そのものだったではありませんか。

[バンダイ] ガラダマ雷鳴剣 DXチルソナイトソード

[バンダイ] ガラダマ雷鳴剣 DXチルソナイトソード

 

そして、そんな積み重ねの上で、満を持してその存在が「推される」からこそ……

今回が初登場となる、ブレーザーがチルソナイトスピア&ゲバルガの電磁波を

「掴む」ことによって生成した神秘の武器、チルソナイトソードの存在感もまた

ひときわ以上の輝きを増そう、というもので。

 

ギミックやデザインなどはこれ以上ないほどにおもちゃ、おもちゃした代物ですが

その柄を未だ謎に包まれ続けたブレーザーが握り、あの荒々しい殺陣との相乗効果で

あれほどの難敵だったゲバルガを見事に撃破することによって、何かと敬遠されがちな

「おもちゃ的ギミックをがちゃがちゃ劇中で弄ってみせる」描写でさえも、謎の巨人の

一筋縄でいかない不思議さの一環と言う感じで、目が離せなくなってしまいます――

 

「販促」というものの奥深さについて、しみじみ考えさせられちゃいますね~。

【Amazon.co.jp限定】ウルトラマンブレーザー Blu-ray BOX Ⅰ (特装限定版)(全巻購入特典:キャラファインマット(絵柄:ウルトラマンブレーザー ほか))付き

【Amazon.co.jp限定】ウルトラマンブレーザー Blu-ray BOX Ⅰ (特装限定版)(全巻購入特典:キャラファインマット(絵柄:ウルトラマンブレーザー ほか))付き

 

と、土曜の朝から大満腹&大満足させてもらえたところで、次回はどうやらまたまた

2回目の総集編エピソードになるとの由――

でも、この制作陣が送り出すものが、ただのツギハギで終わるわけもなし!!

 

ええ、ここまで見続けてもう、それは絶対的な確信になってますね(微笑)。