遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンブレーザー』19話、見ました!

前回の戦いで撃退したかと思われたイルーゴの一件は、未だ終わってはおらず……

しかもそのイルーゴは、かつてSKaRDとブレーザーとを散々に苦しめ抜いたあの難敵、

宇宙電磁怪獣ゲバルガの幼体であった!

……と言う物理的ピンチがもたらす危機切迫感とともに、「V99」の謎へと肉迫していく

エミの単独行動がもたらすハラハラ・ドキドキ、二重の緊張感を同時に孕みながらの

高いテンションで(かつ、本シリーズらしいドラマ演出面での落ち着きは失わずに)

展開していくかたちとなった今朝の『ウルトラマンブレーザー』。

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

 

更にこの緊急事態にあって、当初期待されていたほどの怪獣撃退の成果をあげられず

組織存亡の危機にある、と言う事実をSKaRDの隊員たちに宣告するハルノ参謀長が

朝っぱらからの胃痛に拍車をかけたりもするんですが(笑)、今回ばかりは隊員たちも

ただただ言われっぱなしではなく、現場の判断とこれまでの戦いを経ていく中で

改めて確信するかたちとなったブレーザーとの共闘関係、言うなれば確かな「絆」を

自分たちの口から参謀長へ意見具申するのも良かったですし……

また、それらの意見を受けた参謀長が、頭ごなしかつ理不尽に全否定するのではなく

それら「現場の声」を受け止めつつ、あくまで口頭では厳しい命令のみに徹しながら

そのニュアンスには微妙な「含み」を持たせると言うのも、巨大な組織の一員として、

ひいては本作での「大人」としての在り方を感じさせてくれ、単なる紋切り型ではない

コミュニケーションが産むドラマの滋味はなかなかのものでした。

 

そう、一種の「腹芸」でもあるんですよね、あのやりとりは。

ウルトラソフビシリーズ ウルトラマンブレーザー大決戦セット

ウルトラソフビシリーズ ウルトラマンブレーザー大決戦セット

 

さて、ネットワーク汚染と大気汚染と言うかたちで「侵略」の意志をより明確にし

地中からその姿を現した今回のメイン敵役・ブルードゲバルガ!

イルーゴを大量に繁殖させるための「母体」であることを視覚的に一発で納得させ、

なおかつ以前のゲバルガのスーツ流用であると言う台所事情のカツカツぶりをも

瞬時に忘れさせてしまう、「通常のゲバルガよりも数倍の大きさ」であると言う

設定&ビジュアルのインパクトの強さ!!

こう言うイメージボードを用意することが出来、かつそれを実現できると言うのも

デジタル特撮時代ならではの大いなる恩恵で、そこは市井の一ウルトラファンとしても

素直に享受し、かつ驚嘆させてもらっています。

 

で、そんなブルードゲバルガさん。

なんせ怪獣より強い、「ウルトラ」文脈的には特別な意味を有する「超獣」の二文字を

別名の中に冠しているだけあって、巨体から「生えている」ような無数のイルーゴを

都市部のいたるところに現出させ、根を張るようにそのテリトリーを広げていったり

物理的パワーでアースガロンの攻撃を寄せ付けず、さらに強化された電磁パルスで

防護処理が施されているはずのアースガロンをも行動不能にしたり、前回の戦いで

劇的に登場したブレーザーの新武器・チルソナイトソードをへし折ってしまうばかりか

そのまま巨躯によって我らがヒーローを飲み込んでしまうと言う圧倒的強さ!

[バンダイ] DXファードラン

[バンダイ] DXファードラン

 

そんな怒涛のような大ピンチの連続だからこそ、ワームホールを潜り抜けて

「主人」の危機に駆け付けて来た(であろう、と言う劇中の推測)ブレーザー

「相棒」、炎竜怪獣ファードランの初登場と、ブレーザーとの融合合体による

新形態・ファードランアーマーの存在が大いなるカタルシスを生むわけですし

そんなパワーアップ劇を単なる段取りとして終わらせず、エミがたどり着いた

宇宙装備研究所第66実験施設の跡地内における彼女の父親との奇妙な再会など

本編ドラマをも上手く絡めての盛り上がりの帰結としてそれを描いているのは

本作ならではの手際の良さであり、心からの賞賛に足る美点です。

 

が……

新たな力を得てブレーザーがパワーアップし、エミもまた「V99」の謎と共に

探し求めていた父親との邂逅を果たし、「最高の誕生日」を迎えることができて

前途への明るい希望が見え始めた清々しいエンディング……と行かせてくれないのが

本作の一筋縄ではいかない、ぶっちゃけ意地悪なトコロ。

 

ウルトラアクションフィギュア ウルトラマンブレーザー ファードランアーマーセット

ウルトラアクションフィギュア ウルトラマンブレーザー ファードランアーマーセット

 

出動禁止の命令に背いたSKaRD隊員たち、その責任を負わされる形でハルノ参謀長が

謹慎処分になると言う衝撃の事態……そして、アオベ・タツキの手記を入手するため

敢えて今までエミを泳がせていたと思しきドバシ・ユウの圧倒的胡散臭さ!!

 

もうね、太字で強調しちゃいますよ、「胡散臭さ」って(笑)。

 

地球人とは比較にならない圧倒的な科学力を持つと言う異星人の存在。

その存在と事実そのものがSKaRDや地球防衛隊、いえ地球そのものの存亡をも

大きく左右すると言い、故に隠蔽される最高機密「V99」とは!?

 

さぁ、いよいよ面白くなってきました――と言うのは適当じゃないかもしれませんね。

だってもうアタマっからずっと面白いですもの、この番組(微笑)。