前回のゲバルガ戦における激しく、凄まじい攻防を経て……
10月一週めの放映となった『ブレーザー』は、ちょっと箸休め的趣向の
過去映像の回想多用による撮影コスト省力化エピソード。
にも関わらず、本日放送の本エピソードを前回のように「特別総集編」とは呼ばずに
「ブレーザー第13話」として正式話数にカウントしているのは何故なのか?
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それはひとえに、今回は物語の主軸をなす特殊怪獣対応分遣隊「SKaRD」が
メインに据えられ、激闘、激闘の連続である本筋エピソードだけでは
フォローしきれない登場人物の個性や、本編における描写のフォローなどを
実にきめ細やかに為してくれたからではないか、と思います。
バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン
何しろあれだけ毎回、毎回があのクオリティで織りなされる特撮描写ですから
どこかでインターバル的な冷却・咀嚼の期間がないと撮影現場も、販促も、
それらに付き合う我々視聴者の方も(笑)息切れしますから、このタイミングで
一度こういうエピソードを挟んでおくことは作品トータルの緩急や、製作および
視聴におけるペース配分と言う意味でも適切だと思いますし……
そんなインターバルの幕間的エピソードを、ただ垂れ流すだけでは終わらせず
通常回ではフォローしきれない登場人物の描写の深堀りや、作品内の基本設定を
改めて復習・衆知してもらう場としてむしろ積極的に活用していこうと言うのは
本作スタッフ陣の実に小癪な(笑)、そして素敵なトコロだと思います。
S.H.フィギュアーツ ウルトラマンブレーザー 約150mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
他愛なくも思える出動待機中の「SKaRD」隊員たちの何気ない会話……
それを通じて過去の展開や描写が改めて分かりやすく再整理されるのと同時に、
作戦行動時のそれとは異なる、肩の力が抜けてリラックスした状態で交わされる
隊員同士の会話によるやり取りが、本シリーズの登場人物が単なる物語の駒ではない
血肉と確かな実存を備えた「人間」であり、無味乾燥な戦いだけの描写ではない
ぬくもりを伴った一服の清涼剤ともなって、「コミュニケーション」をテーマとした
本作の目指す「ドラマ志向」を明確に、心地よく視聴者へ伝えてくれます。
またそれらの「ドラマ」部分が、必要以上にテンションを上げたり、非現実的に
極端なデフォルメのなされた”マンガ芝居”ではなく、しっかりと抑制を効かせつつ
生っぽいお芝居と会話の呼吸で見せて(聞かせて)くれるのが心憎いです――
そして、そんな風に計算された上で演出された心地よいロー・テンションでの
「隊内日常ダベリング(笑)」の中において、宇宙怪獣らの侵入経路の共通項や
エミ隊員の過去など、何気にこれからの『ブレーザー』に大きく関わる重要情報が
何気ない雑談としてさらりと提示されるので油断も隙もありゃしません(爆笑)。
と、そんな心地よい小休止を間に挟んで……
次回からまたまた、様々な要素が一気に動き出す予感の『ブレーザー』!
新怪獣デルタンダルの暴れっぷりや、アースガロンやブレーザーが披露する
初の本格空中戦ともども、今からもう次週が楽しみでワクワクです。