遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

ビルを壊すぞ地響きたてて

先日・9月4日に15歳(笑)の誕生日を迎えた僕ことさいとうひとし……

御縁と言うのは有難いもので、そこからしばらくの時を経てもなお、我が家宛てに

嬉しい誕生日プレゼントが、僕自身も忘れたころに(笑)届いてくれておりまして。

それが、こちら!

昨年末に双葉社さんからリリースされました豪奢な愛憎本仕様の単行本、その名も

帰ってきたウルトラマン怪獣図鑑」であります。

 

帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑

ウルトラマン』『ウルトラセブン』の既刊二冊を経て編集フォーマットが確立され

読み応え的にもよりこなれた感じの『帰マン』版・大怪獣図鑑

『ウルトラ』をウルトラたらしめる作品世界観の必須要素「怪獣」のみに視点を絞り

豊富かつ大きめの写真掲載によってその能力、細部ディテール、本編での暴れっぷりに

ウルトラマンとの対決と最後までを詳細かつ熱く解説、全ページふりがな付きなので

次代を担う怪獣キッズ育成用にもお勧めです(笑)。

 

で、(笑)とはしたもの、「次代を担う怪獣キッズ育成にお勧めの本書」と書いたのは

僕的には……割とマジでして、 前半のストイックな地球怪獣路線、2クール半ば以降

宇宙怪獣ぞくぞく登場路線、そして終盤のかけての星人侵略路線……と、1年間に渡る

長丁場におけるシリーズ構成そのものが百花繚乱の1971年、「第二次怪獣ブーム」

そのものの”目で見る縮図”になってるからなんですよね。

 

逆に言うなら『帰マン』を起点とすることで、近年にまで至る『ウルトラ』像の萌芽や

確立が一気に見えやすくなり、ストンと腑に落ちる、と言う感じでしょうか。

基本四ページ、最低でも二ページを費やして、『帰マン』登場怪獣たちをじっくり

紹介……とは言え、ゼラン星人やストラ星人などの宇宙人は流石にコラム的扱いですが

(笑)、 現存するスチールばかりでなく、本編映像からの「抜き焼き」も駆使して

構成された誌面は、劇中での興奮ばかりでなくセットメイキングやミニチュア配置の

巧みさによる、特撮班演出のハイレベルっぷりをも改めて認識させてもらえます。

またそれらの「コマ抜き焼き」カットが、近年のデジタルリマスターの恩恵もあって

スチール写真のそれと比しても全く遜色ないほど汚れや色あせなどもない

非常に綺麗な状態での掲載だって事に、80年代・朝日ソノラマ「ファンコレ」時代の

フィルムブックの印象がまず頭にあるジジイとしては感嘆しきりで、時代は着実に

移り変わっていってるんだとしみじみ思い知らされましたね。

あとはあくまで『帰マン』に向き合っての誌面作りってことで

重曹ベローズピンチ」や「振動触腕エクスカベーター」、「実は海棲動物」などの

後年の後付けによって新たに「盛られ」た設定が一顧だにされていない(※)のが

実に「分かって」て気持ちイイッ(笑)!

 

(※:能力や武器など明らかな後付け付与に限ってのもので、劇中使用の武器や能力に後付けで名前が付く

 現象――ビルガモの”バルタニック・ウェーブ”など――は、その範疇に含まないものとします)

本のカバーを外した際の「びっくり」も、入手者だけのお楽しみ(笑)。

懐かしくも新しい読み妙の本書、怪獣ファンの方々には文句なしでお勧めの逸品です。

 

ページをめくるたびに興奮が止まらず、アタマの中は完全に小学校低学年。

素晴らしい贈り物、改めましてありがとうございました!