遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

蕎麦屋のそれがミソ!

とりたてて気張って店を探し回るだけでもなく、ただ普段何気なく通ってる

生活圏内の店を取り上げるだけで、自然と「名店紹介」になってしまう……

こと「食」に関する限りは、つくづく嬉しい環境だなあと思いますです。

と言う、毎度おなじみの前置きとともに(笑)。

 

この日の出先が北広島でしたので、昼食は「そば天国 松乃家」さんの総本店にて。

このたびはこちら、同店の営業を軌道に乗せてくれたと言う"創業の味”として

今も同店で大切に守られ、愛され続けるみそざるそばに舌鼓を打ってきちゃいました。

今の醤油主体のダシが定着する以前、かつてのそば切りを食べるつけ汁のひとつとし

味噌ベースのものもあったんだそうですが……ただその過去を呼び戻しただけでなく

「今」ならではの工夫と研鑽をもしっかり積み重ねて、より豊かな味わいの世界を

醸し出しているのが、この味噌つけ汁の素敵なところ。

胡麻の薫りや香ばしさが味噌ならではの豊かな旨味と渾然一体になって

釧路の老舗「東屋」さんの藪そばの伝統を受け継ぐ、しなやかで喉越しの心地よい

手打ち麺の味わいを更に引き立たせ、膨らませます。

ちなみにこの蕎麦の緑色は麺生地にクロレラを練り込んであるからなんだそうで、

色彩のコントラストと言う意味でも実に的確で「目に美味しい」ですね。

サイドメニューとして一緒に注文した小鶏天丼もまた、小サイズとは言いながらも

しっかりとした食べ応えの満足感があり……その上でなおかつ、満腹感においても

味わいにおいても、メインたるべき藪そばの味わいを決して邪魔することのない

ある種の「奥ゆかしさ」が微笑ましくも嬉しいご飯ものですね。

地域に密着し、愛され続ける理由を無言のうちに示してくれるメニュー群。

さすがの一杯と一膳、ごちそうさまでしたッ!