ここに訪れたならば、決して素通りすることの出来ないラーメンの名店が
「ピッパラの森」さん。

「ラーメン嫌いの私でも食べられるラーメンを」と言うご店主の出自と動機からして
他の追随を許さず、そこからの着実に美味しい誠実さの積み重ねによって人気を博し
今や押しも押されぬ道内ラーメンの名店のひとつにまで成長したこのお店において
このこのたびは、こちらの”わくわくセット(B)”を頂いてきました。

「ピッパラの森」さんの自慢であり、容易に他店の追随を許さない唯一無二の旨さ……
壮瞥・および道内の山の恵みたるキノコ類がふんだんに用いられたキノコラーメンと
じっくり煮込まれ、芳醇な旨味と上品な辛さに陶然とさせられるカレーライスとを
それぞれハーフサイズで供してくれ、しかもサラダ付きと言う嬉しい仕様です。

キノコラーメンの味は、醤油・味噌・塩・から味噌の四種からセレクト可能。
僕は今回、こちらの”から味噌キノコラーメン”で楽しませてもらいました。

スープを一口すすれば、まず口中に感じるのは唐辛子由来の辛さ……
その刺激がまず味蕾を覚醒させた直後に、味噌ならではのまろやかさに裏打ちされた
豊潤で複雑な旨味が雪崩をうって口中に押し寄せてきます。

そんな旨味たっぷりの辛味噌スープを十分に絡ませながら口中へと滑り込んでくる
軽やかで滑らかな舌触りの麺もまた、喉越しと言い歯ごたえと言い旨さと言い
ハイレベルで申し分なく、相変わらず全く隙を見せません。

そしてやっぱり、この一杯における実質的な主役であり欠かすことの出来ない具材が
ふんだんに用いられた様々な種類のキノコ類。

スープにしろ麺にしろ香ばしく柔らかなチャーシューにせよ、そもそもの味の基本が
しっかり丁寧に構築されていて揺るぎないからこそ、キノコ類から溢れ出る旨味出汁が
「屋上に屋を重ねる」ような見苦しさもなく、蛇足にもならず、ただ豊かな旨味が
心地良く口中に広がっていってくれるんですよね。

……と、これだけならばむしろ「ピッパラの森」さんならではの通常営業ってことで
納得はすれども驚きはしなかったと思うんですが。
今回のセットメニュー注文で個人的に驚かされたのはコチラ、どこまでも深く
色っぽささえ感じる光沢のルーが眩しいカレーライス!

スパイシーさと豊かな旨味が調和し、所謂「おうちカレー」の気安さばかりではなく
むしろ「よそ行きカレー」の高級感さえ感じさせてくれるこの一皿。
一口食べて思ったのは「ああ、老舗洋食店とか高級ホテルでの味を謳ったカレーの
お中元・お歳暮の缶詰のようだなぁ……」と言う郷愁ですが、このつたない感想で
果たして皆様に「伝わった」でしょうか?
ああ、伝わってくれると嬉しいんだけどなぁ(苦笑)!

このごろりとして無造作な肉塊が、口に含めばとろりととろける柔らかさ。
じわりと滲み出る肉汁と、深みのあるカレールーとが一体になって醸し出される至福は
もはや「ラーメン屋の余技」などではない、堂々と主役を張れる一皿です。

つけあわせのサラダの清冽さに至るまで、隅々まで食べる人本意の気配り。
そしてそれが特別ではない「当たり前のこと」として積み重なっているからこそ
「ピッパラの森」さんは壮瞥における堂々の名店たりえているんでしょうね。
旨さへの驚嘆とともに、改めての納得です!
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