遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

汚しは芸術、芸術は破壊!

小サイズにみっちり詰まったリアル造形の高密度と、バラエティ豊かな顔ぶれが

ずらり揃ったラインナップで評判の、現「ウルトラ怪獣シリーズ」……

そのシリーズの安定感は、30年以上の長きに渡り、時代毎のウルトラキッズらの

よき友であり続けてくれたバンダイの一大ロングセラー・旧「ウルトラ怪獣シリーズ」、

即ち840円ソフビのノウハウや販路などをストレートに受け継ぐことができたという

恵まれた境遇にも支えられていることを忘れるわけにはいかないでしょう。

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そんな旧ソフビ・シリーズより、今回リペイントの俎上にあげますは彼……

1996年公開の映画『ウルトラマンゼアス』においてデビューした

慢性ガス過多症宇宙人・ベンゼン星人”であります。

 

 

 

 

 で、塗りあがりましたのがコチラ!

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劇中では夜間だったり、薄曇りの空の下だったり……といった場面での登場ですので

なかなか正確な色が掴み難いキャラではありますが、幸いにして近年の作品だけあり

正しいカラーリングが判別できる写真資料も比較的豊富ですので、そちらを参考にして

ぐいぐいと塗り進めて参ります。

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ガソリンスタンドでお馴染み・出光興産とのタイアップや、人気のお笑いコンビである

とんねるず」とのコラボレーションによるギャグ仕立てのストーリーなど、従来にない

新機軸が随所に盛り込まれて、公開当時にはファンの賛否両論が渦巻いた『ゼアス』。

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なんでもこのベンゼン星人も、とんねるずの二人がスーツに入って演じることを前提に

コント用の着ぐるみばりに演者の顔がそのまま露出するようなデザイン案までもが

実現こそしなかったものの、水面下では真剣に検討されていたのだそうで……

それを思えば、『ウルトラマン妹』なんて全然可愛いもんですよね(笑)。

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なお、余談ですが彼には、シナリオ準備稿の段階では“オールバック少尉”なる

個体名と階級、更にベンゼン本星での上司にあたる“リーゼント総統閣下”の存在が

それぞれに明記されており、設定面でのバックボーンの広がりを夢想する上では

なかなかに興味深くも面白いトコロです。

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と、話題の方は脱線しつつも(笑)ちまちまと筆塗りを進めていき……

最後に、艶消しスーパークリアーを全体にスプレーして一丁上がり。

マットな質感で全身の光沢が統一されているだけに、赤い両目の光沢も

以前より更にエゲつなく(笑)存在感を主張してくれるようになりました。