前作『ウルトラマントリガー』の10年後と言う大前提のもとにある物語で
数々の設定面でも、また劇中に登場するガジェットなども『トリガー』のそれを
明確に受け継いでいる以上……作品としての評価や、好むと好まざるとに関わらず
現在放送中の『デッカー』にとって、『トリガー』の世界観を全肯定することは
文芸面でもマーチャンダイジング面でも、もはや議論以前の大前提であるわけで。
そんな大前提のもと、今回はいつもの本筋から離れての特別総集編。
昔からこの時期は、お盆&夏休みシーズンに伴って、視聴率が通常よりも低下する
「夏枯れ」現象が起こりやすい時期ですので、そんな時期に敢えて総集編と言う形で
インターバルを置くのも、それはそれで納得のいく戦略ではあります。
そんな今回の特別総集編では、『トリガー』時代からGUTS-SELECTの装備開発を
一手に引き受けるTPU内の”特務3課”にスポットを当て、サブスク限定配信である
スピンオフ映像作品『ナースデッセイ開発秘話』登場のホッタ・マサミチ課長と
メトロン星人マルゥルを通じて、『トリガー』世界と『デッカー』の繋がりや
これまでに登場した種々のメカニックの活躍をおさらいしようという趣向。
ホッタ氏とマルゥルとの気心の知れた軽妙なやり取りや、その掛け合いの中で
さりげなく自然に語られる前GUTS-SELECTメンバーの現在やメカニック設定、
これまでのスピンオフ展開や外伝作品などとの繋がりをも匂わせることでの
視聴者への「くすぐり」の小粋さ……
その辺はやっぱり、ネット時代において幅広い形でのファンサービスを試み
地道なノウハウを積み重ねてきた、「ニュージェネレーションズ」以降の
現代の『ウルトラ』ならではの絶妙な匙加減なのだと思います。
そして、マルゥルの特務3課再配属に伴って、ここで改めて強調される
『トリガー』と『デッカー』が地続きの世界観上にあると言う事実……
それは即ち、この後のエピソードにおいて既にそれがアナウンスされている
「トリガーとデッカー、ふたりのウルトラマンの競演」と言う一大イベントを
より自然に視聴者へ受け入れさせるための「前フリ」としての機能はもちろん
今後の放送で2,3……と続いていくであろうこのテの「特別総集編」において
ホッタ&マルゥルの丁々発止の掛け合いをも楽しめる事への保証でもあり
そういう意味でも二重、三重に期待は高まっちゃいますねぇ(微笑)。
そして、次回……
登場怪獣はパゴスですってよ、パゴス!!(興奮)