故・水木しげる氏の漫画の持ち味であり、大きな魅力である
おどろおどろしい怪奇要素と、すっとぼけた庶民的ユーモアの
絶妙な同居っぷりを巧みに反映させ、当時の東映東京撮影所と
特撮スタッフの底力を見せつけることによって、1966年当時の
爆発的な“怪獣ブーム”の中にあって、既存の特撮作品群の
エピゴーネンに終わることなく、見事な独自性を魅せつけて
多くのファンを獲得した、実写特撮版の『悪魔くん』。
そんなシリーズの主人公、“悪魔くん”こと山田真吾少年と並ぶ
もうひとりの主人公、魔法陣から呼び出される悪魔メフィストの
専用テーマ曲と言うべき本曲……
挿入歌「なまけもの節」のインストゥルメンタル・バージョン。
この呑気な曲調が、気位の高い悪魔なのに妙に人間臭く憎めない
メフィストの愛すべきキャラクター性を見事に表現しきっており、
兄弟メフィストの楽しさ・頼もしさとも相まって忘れがたいですね。