遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

さざめ竹の咲くころに

毎年半ばより放映開始される、ウルトラマンシリーズ最新作の放映スケジュールと

完全に歩調を合わせて連動し、テレビで見たあの怪獣、この怪獣が、

玩具売り場に行けば待っていてくれる、という

ある意味、とても恵まれた環境下でのリリースがウリとなっている

現行のバンダイウルトラ怪獣シリーズ」。

そんな現行怪獣ソフビから、リペイントの俎上にあげますはこちら……

シリーズの原点たる1966年放映『ウルトラQ』にてデビューした古豪であり

久方ぶりの児童向け商品ラインナップの参入が、何より嬉しいひとつの「事件」だった

地底怪獣・パゴス君であります。

 

で、塗りあがりましたのがコチラ!

可動箇所こそ少なめで、サイズも掌に乗ってすっぽり隠れるほどの小さいものながらも

流れるような全身のフォルムの美しさやディテール表現の確かさなど、とにもかくにも

「パゴスを作れるんだ!」と言う原型担当者さんの喜びがダイレクトに伝わってくる

今回のソフビ商品化は、紛れもなく快挙であったわけで。

市井の一エンドユーザーである僕もまた、そんなパゴスを気軽に手に取って遊べる

その喜びを嚙みしめながら(笑)リペイントの作業に入ります。



現存するスチールやコンピューター彩色版の『総天然色ウルトラQ』などにおいては

”土気色の怪獣”と言うイメージが強く、一方で2019年放映の『タイガ』において

久々にスーツが新造された際には、むしろウォームグレー系の色彩が前面に出た

”灰色の怪獣”的な印象もあったりするこのパゴス。

どちらのパゴスも凄く魅力的ですので、今回はその両方のイメージを脳内で折衷しつつ

半ばアドリブも込みで筆を動かし、こんな感じにまとめてみました。

と、それはさておき。

そんな全身の色調も勿論なんですが、パゴスの場合は目の塗装の描き直し……

やや黒目を上目遣い気味にして、その真ん中にもう一個、小さな白い点を落とした

三白眼状態にしてやると、より「らしく」なってくれるかと思います。

以上、簡単ながら現行ソフビ版パゴスのリペイントの巻でした。

 

ほぼ全身が単一色だからこそ、そのボディカラーが単調で間延びしないよう

いかに色の情報量を増やしていくことが肝要かと思います――

そして、その塗り込みの過程こそが結構楽しいものなんですよねぇ(笑)。