遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

それぞれに、「終わりなき日常」の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

何度叩きのめされても懲りることなく、地球を狙い続ける怪獣軍団。

 

だが安心してほしい、地球には……

この千歳には、正義の人・宙マンがいるのだ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211205214727j:plain

そんなわけで、今日もまた。

雪深い千歳市郊外の山奥にて、真冬の寒さをも吹き飛ばす勢いで

熱く繰り広げられる世紀の大激闘。

今度の相手は、かつて宙マンに挑んで敗れたあいつ。

「奇怪宇宙人」の異名をとるツルク星人だ!

 

ツルク星人「テュカカカっ、前に受けたあの屈辱……

 今日こそはスッキリ晴らさせてもらうぜ、宙マンよ!」

 

koumemylove4794.hatenablog.com

宙マン「何度来ようが同じことだ。正義は必ず勝つ!」

ツルク星人「テュカ~、その余裕、めっちゃムカつく~っ!」

 

氷点下の中、ひときわ高く響き渡る打撃音!

激しい力と技の応酬の果て、最後にこの戦いを制したのは……

やはり、我らが宙マンの必殺技であった。

 

宙マン「とどめだ!

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211205214309j:plain

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ツルク星人を直撃!!

ツルク星人「ひょんげ~、やっぱこうなっちゃうのねぇぇ~っ!」

 

やったぞ宙マン、絶好調!

怪獣軍団の野望は、またまた正義の前に潰え去ったのであった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426115252j:plain

……と、いうような感じで。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426115259j:plain

相変わらず絶好調なヒーローの大活躍で幕を開けた『宙マン』。

で、そうなると甚だ面白くないのは、もちろん暗黒星雲の……。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426115412j:plain

イフ「ぬうううっ……おのれおのれ、またしても宙マンめが!

 だが、これしきでワシらが諦めると思ったら大間違いだぞ。

 既に、次なる計略が動き出しているのだからな!」

ゾネンゲ博士「ええ、仰るとおりでございます、魔王様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427202852j:plain

ゾネンゲ博士「宙マンが油断している隙に、次なる使者の選抜は済み……

 あとは魔王様の出撃命令を待つばかりでございます」

イフ「おお、さすがだな、ゾネンゲ博士!」

ゾネンゲ博士「ふふふ、魔王様のお仕込みで♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427203044j:plain

ゾネンゲ博士「どうぞ、吉報をお待ち下さいませ!」

イフ「わははは、今に見ておれ宙マンめ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426122355j:plain

おお、又しても怪獣魔王の恐るべき命令が下された。

間髪入れずに次なる悪の使者が、我々の地球へと迫り来る!

 

……これが千歳の「日常」となって、既に久しいものがある。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211205104001j:plain

が、ひとまずそれはそれとして……

こちらは毎度お馴染み、北海道千歳市の「宙マンハウス」。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211205104037j:plain

既に怪獣軍団が動き出しているとは、全く露知らぬ宙マンたち。

そんな彼らの午後はと言えば、気の置けない友人・家族らが

暖かなリビングルームに集って、至極まったりとしたものであった。

 

宙マン「ほほぅ、なるほど、そんなことが?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211129024939j:plain

ながもん「(頷き)事実は、小説よりも……奇なり……珍なり」

みくるん「ねぇ、私もびっくりしましたよぉ。

 お爺ちゃんの耳かきかと思ったら、動物の歯の化石だったなんて!」

ビーコン「しかもどうやら、新種らしいじゃないっスか」

ピグモン「はうはう~、世紀の大ハッケンなの~」

落合さん「何気ない日常の中で、そんな発見があったりする辺りが……」

宙マン「流石むかわ町、ダテに“化石のまち”を名乗ってないねぇ」

ビーコン「だったらまた、みんなで行こうじゃないっスか!」

落合さん「あら、ビーコンさんからのご提案とはお珍しいですわね。

 オタク趣味関連の展示会とか、オタクショッピングばかりで

 そう言うのには感心が薄いとばかり思ってましたら!

ビーコン「チチチ、心外っスねぇ落合さん!

 オイラだって常日頃から、むかわ町には興味津々っスよ――」

ビーコン「そう、むかわ町ではね、今――

 むかわ特産のシシャモから炊き出した旨味のエキスたっぷりの

 ししゃもダシラーメンが食えるんスよ!!」

落合さん「(呆れて)あらまぁ……

 結局は食欲絡みですのね、ビーコンさんの発想って!」

ビーコン「ヒヒヒ、あとは性欲っス~☆」

落合さん「……その追加事項は心底余計ですっ!(汗)」

むかわ産の本シシャモから炊き出され、念入りに焙煎を繰り返され

独特ながらも嫌味なクセを感じさせないダシを主体としたスープ。

この美しい透明感からの期待を、全く裏切ることはなく……

ビーコン「このスープに合わせて特注の、もちもち食感の太麺とも

 また実に相性抜群、って寸法っスよ!」

みくるん「ほにゃ、お話聞いてるだけで美味しそうです~」

ながもん「何という、飯テロ……じゅるりっ」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも食べてみたいの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211129024802j:plain

宙マン「ようし、それじゃ今度みんなで行こうか!」

落合さん「となると、事前の情報収集と吟味も不可欠ですわね」

ビーコン「ヒヒヒ、ネット検索ならオイラにお任せっスよ~☆」

 

「宙マンハウス」の昼下がりは、良くも悪くもいつも通り。

だが、そんな平穏な日常を破ったもの……それは!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211129025441j:plain

ブアォォンッ!

 

ピグモン「(怯えて)きゃああんっ、おっかないの~!」

ビーコン「どひ~っ……なんスかなんスか、いきなり何なんスかぁ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426224545j:plain

落合さん「飛行機の墜落でしょうか!?」

宙マン「いや、そうじゃない――あれを!」

慌てて家の外に飛び出した一同が見たもの……

それは真っ赤な尾を引き、飛来してくる真っ赤な光球であった。

 

光球はまっすぐに落ちてきて、地上に激突し……大爆発!!

ズゴゴゴグワーンっ!

 

ビーコン「(目を回して)ハンニャラ、ヒ~っ……」

落合さん「ケホ、ケホッ……もう、何なんですの!?」

ピグモン「はわわ……すごかったの、隕石だったの~」

ながもん「いや、違う。……隕石よりも……もっと、すごいもの」

 

地上激突の衝撃波と爆風は、人々を吹き飛ばさんばかりの勢い。

噴煙の中から、ゆっくりとその身を起こした巨大な影……

そう、それは!?

「ワギャギャギャ~ッ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210508155243j:plain

宙マン「……怪獣だったのか!」

ながもん「(無表情)ほらね。……やっぱり」

みくるん「もう、ながもん、得意がってる場合じゃないよぉ!(汗)」

「ワギャギャギャ……俺様は大怪獣・カンジラス!

 怪獣魔王様の命を受け、暗黒星雲から来た破壊の使者だぜ!」

宙マン「何と、ジャミラじゃなかったのか!?

カンジラス「(ジト目)……だぁー、かぁー、らぁ~。

 そういうボケは、もうえぇっちゅーんじゃ!」

ビーコン「たはは、何つーか、そこはそれ……」

落合さん「一応の、お約束……とでも申しましょうか(苦笑)」

カンジラス「あー、もう、君らには付き合ってられんわ!

 こっちはこっちで仕事始めるんで、ヨロシクぅ!」

宙マン「……仕事?」

みくるん「(震えて)……破壊活動ってことですよぉ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426122119j:plain

イフ「わははは……行けぃカンジラス、徹底的に街を破壊せよ!

 働き如何によって、臨時特別賞与にたっぷり色をつけてやるぞ!」

カンジラス「イエーイ! そのお言葉、確かに聞きましたぜ魔王様!」

怪獣魔王の言葉に、俄然張り切るカンジラス!

赤いレンガ色の巨体が、猛然と進撃を開始する。

みくるん「やだー、怪獣さんが動き出したですぅ!」

ビーコン「ひぇぇ! キタキタ、こっち来てるっスよ!?」

落合さん「見れば判りますッ、いいから逃げるんです!」

宙マン「みんな、こっちだ――早く!」

 

おお、今日もまたまた大ピンチの千歳市

大怪獣の暴虐、もはや断じて許すまじ。

平和を守るべく、航空防衛隊が直ちに出撃した。

ビーコン「おほっ、航空防衛隊のお歴々っスよ!」

落合さん「タイミング「は」いつも良いんですけど……(汗)」

ピグモン「はうはう~、おじさんたち、しっかりなの~!」

「ようし……全機、怪獣に一斉攻撃だっ!

カンジラスめがけて、一斉に攻撃をかける戦闘機!

だが、その凄まじい弾着も、大怪獣を怯ませるには至らない。

 

カンジラス「ワギャギャギャ、効くもんかよォ!」

「う、うわぁぁぁっ……!!」

カンジラスの口から吐き出される恐怖の破壊光線!

その直撃を受け、一機、また一機と撃ち落されていく戦闘機。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

ピグモン「あ~ん、やられちゃったの!」

ながもん「さすがに……一筋縄では、いかない……か」

ビーコン「がーっ、ヘンに納得してる場合じゃないっスよ!(汗)」

 

……などと言っている間にも、傍若無人の進撃は続く!

落合さん「きゃ、きゃああああっ!?」

ビーコン「うわ……うわ、うわ、うわ~っス!」

爆発! 炎上!

今や誰がどう見ても、千歳の街は絶体絶命の大ピンチ……

この事態をもたらした者こそ、大怪獣カンジラスなのだ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210504000227j:plain

ながもん「オウ……これは、いろいろ……シャレに、なってない」

ビーコン「このままじゃ、オイラたち丸焼きっスよ!」

みくるん「(涙目)ちゅ、宙マンさぁん、どうしましょう!?」

宙マン「……ううむっ、やるしかないか!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、荒れ狂うカンジラスの前に舞い降りる!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 怪獣カンジラス、乱暴狼藉もそこまでにしておけ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426150029j:plain

ズ、ズーンっ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211204201744j:plain

ビーコン「出たっス、アニキの十八番!」

落合さん「こうなってはもう、お殿様だけが頼りですわ!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

カンジラス「ワギャギャギャ~っ、シャラ臭ェやな、宙マン!」

宙マン「あくまでやる気か……いいだろう、かかって来い!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

勇壮たるファイティングポーズで、敢然と身構える宙マンーー

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!

カンジラス「宙マンめぇ、お前を倒してボーナス倍増額だぁ!」

宙マン「そうはいかんぞ、カンジラス!」

激突、宙マン対カンジラス!

寒風さえ寄せ付けない勢いで、熱い巨大バトルの幕が開く。

長い両腕でパンチ攻撃を仕掛けてくるカンジラス。

だが宙マンも怯むことなく、真っ向からこれと渡り合う。

ぶつかり合う闘志と闘志、パワーとパワー……

緒戦における格闘技の威力は、怪獣・超人ともにほぼ互角。

 

だが、次の瞬間、カンジラスの破壊光線が均衡を破った!

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

宙マンの周囲に、次々と巻き起こる連鎖爆発!

高熱と衝撃波に煽られて、ヒーローの巨体がドドーッと倒れ伏す。

 

みくるん「ああっ、宙マンさんが!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428003116j:plain

落合さん「お殿様……しっかりなさって下さい、お殿様!」

ビーコン「アイツ、ただのジャミラモドキかと思ったら、ガチで強いっスよ!?」

 

カンジラス「(ビーコンを一瞥)オラ、そこっ!……聞こえてンぞぉ!?

 

ビーコン「……ど、ど、どひ~っ!(ガクガクブルブル)」

カンジラス「今の暴言への落とし前は、後でキッチリつけるとして……

 とりあえず今は、宙マンの始末のほうが先決だ。

 臨時ボーナス増額間違いなし、一足早い春の訪れだぜィ!」

宙マン「(苦悶)うう……うっ……!」

 

ピグモン「はわわわ、宙マンがほんとにあぶないの~!」

みくるん「どうしよう、このままじゃ……!」

ながもん「(拳を握り)宙マン……しっかり……負けないで……!」

 

カンジラス「ワギャギャギャ、くたばれ宙マン! 

 俺様のボーナス、ゴキゲンな消費生活と引き換えに!!」

口腔に破壊エネルギーを収束させていくカンジラス。

だが、エネルギーチャージのために生じる無防備な瞬間……

そうだ、宙マンはその一瞬を待っていた!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210504002554j:plain

「本当の勝負は……ここからだ!」

 

カンジラス「(驚愕)な、何ッ!?」

全身のパワーと気力を振り絞り、大ジャンプする宙マン。

空中回転とともに繰り出す、怒りの必殺技の名は!

宙マン「エイヤぁぁぁーっ!

 宙マン・ミラクル・キック!!

出た、電光石火の必殺技!

ラクル・キックの直撃に、カンジラスがブッ倒れたところへ――

 

宙マン「とどめだ! 

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426152748j:plain

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、カンジラスを直撃!!

カンジラス「あまりに儚い、ボーナス倍額の夢でしたぁぁ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211203221012j:plain

ながもん「さすが、宙マン……任せて、安心」

みくるん「ありがとうございましたぁ、宙マンさん!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「ぐぬぬぬっ、またしても宙マンめが!

 次こそは必ず……覚えておれ、今に見ておれよ~っ!」

 

……などと言う負け惜しみは、いつも通りにさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211204204001j:plain

かくして宙マンの活躍により、大怪獣カンジラスは撃退され……

千歳の街には再び、穏やかな「日常」が戻ったのであった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211129035144j:plain

ピグモン「はうはう~、宙マン、おつかれさまなの~♪」

宙マン「いやぁ、はっはっはっはっ……

 なんかこう、ひと勝負終えたら無性にお腹がすいてきちゃったよ」

みくるん「あれだけの戦いの後ですもん、無理ないですよね~。

 ししゃもラーメンもいいですけど、まずは軽く何か……」

落合さん「お任せ下さいませ、すぐにおやつの支度を致しますわ!」

ビーコン「ウッシッシ、そして主菜はオイラにお任せっス!

 肉汁と旨味たっぷりのボローニャソーセージ、用意万端っス。

 あ、勿論このソーセージ云々はエロい意味での比喩で……」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211203221501j:plain

落合さん「ねーい! よくもイケシャーシャーと、このエロ怪獣ッ!!」

ビーコン「どひ~っ、相変わらずガツンと来る一撃っスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

いろんな日常あるけれど……

やっぱり、みんなと過ごす平和が一番。

だから宙マン、次回も頼んだぞ!