北海道も今、まさに夏まっ盛り!
豊かな大自然が活き活きとその生命を謳歌し、大地を美しく彩って
北の大地が一番、エネルギッシュに躍動する「熱い」季節。
お盆休みと言うことで、海に山に都会にと多くの人々が繰り出し
北海道のあちこちは今や大変な賑わいを見せているわけだが……
同時にまた、賑わいの陰で様々な陰謀も密かに進んでいるようで。
と言う前置きのもと、今回もまた……
千歳市ほんわか町5丁目の「宙マンハウス」から、物語は始まる。
ピグモン「ぶ~、海水浴行けないなんてつまんないの~」
落合さん「(苦笑)仕方ありませんわよ、ピグモンちゃん。
現地の××海岸一帯は、今日もまた物凄い濃霧だそうですもの。
そんな状況では危なくて、とても泳ぐどころではございませんわ」
ピグモン「えう~、ピグちゃん楽しみにしてたのにぃ~」
みくるん「まぁまぁ、ピグモンちゃん……。
気を取り直して、今日はおうちでのんびりしよう?」
ながもん「(頷き)家でも……楽しめること……いっぱい、ある」
ビーコン「ヒヒヒ……そうそう、ながもんちゃんの言うとおりっス!
家で出来ること、楽しめること、いっくらだってあるじゃないっスか!」
ピグモン「う~、例えばぁ?」
ビーコン「そりゃもう、エロいアニメみたり、エロい同人誌読んだり。
……あ、みんな揃ってエロいお座敷遊びなんてのも……♪」
げ し っ !
落合さん「ねーい、このエロ怪獣っ!
教育上よろしくないですから、そんな冗談はやめて下さいましっ」
ビーコン「ハンニャラ、ヒ~っ……いや、100%本気だったんスけどぉ~」
落合さん「なおタチが悪いですわねっ!(怒)」
宇佐美さん「まぁ、それはともかくとして……
××海岸と言えば、ここ最近は妙な噂を聞くことが多いねぇ」
ピグモン「ほぇ?」
宙マン「妙な噂……ですか?」
宇佐美さん「(頷き)ここ数日の霧に交じって、何か生臭い匂いがしたりとか……
砂浜に、今まで見たことのないウロコみたいな物が流れついていたりとか……
あとは霧の中におかしな影を見て、それが海坊主じゃないか、とか」
宙マン「ほう、海坊主?」
宇佐美さん「まぁ、あくまで噂は噂なんで、余り当てにはならないけどねぇ」
宙マン「(考えこみ)ふむ。……噂、ねぇ……」
元ヒーローとして培ってきた、長年の勘が働いたか……
宇佐美さんの話を聞き、何やら思案顔の宙マン。
そして宙マン同様、賢明なる読者諸氏も既に御推察の通り。
ここ・××海岸近辺における連日の濃霧も、そして数々の奇妙な噂もまた
かの地における、怪獣軍団の暗躍を裏付けるものだったのである。
そして、今。
海面が不気味に泡立ち……水中から姿を見せた者とは!?
「ギシャシャシャシャーッ!!」
怪獣軍団の一員、見るからに不気味な半魚人・ボーズ星人。
かつて一度、千歳に姿を現したこともある水陸両生のこの宇宙人は、今また
怪獣魔王の命を受け、ここ・××海岸の周辺海域に派遣されていたのである。
そして、そんな彼に与えられた次なる使命とは!
イフ「ズバリ、ワシら怪獣軍団の前線基地建設だ!
蒼く輝く地球と言う星を、怪獣軍団のものにする……
そのための足掛かりとなる、大規模施設がどうしても必要なのだ!」
ボーズ星人「ギシャシャ……承知しておりますとも、魔王様!」
ボーズ星人「盆休み前から現地入りし、周辺の測量を進めて参りました。
あとは暗黒星雲から資材を搬入し、基地の建設にかかるばかり。
……今度はもう、あの時のようには参りませんとも!」
かつて一度、宙マンに破れ……
自身の面子を丸潰しにされた苦い経験を持つボーズ星人。
koumemylove4794.hatenablog.com
故に、このたび××海岸に怪獣軍団の侵略前線基地を打ち立てる計画は
怪獣魔王のみならず、他でもない彼自身の悲願でもあったのである。
イフ「しっかり頼むぞ、ボーズ星人!
こたびの計画の成功は、お前の働きいかんにかかっておるからな!」
ボーズ星人「ギシャシャ~、万事お任せ下さい、魔王様!
ここまでくれば、この俺の計画はもはや成功したも同然……」
「はっはっはっはっ、そしてたった今……
その計画もまた、失敗に終わる運命だ!」
ボーズ星人「(訝しげに)シャシャッ……だ、誰だっ!?」
不意に響いてきた凛たる声に、驚いて振り返るボーズ星人。
次の瞬間、華麗な空中回転とともに舞い降りてきたのは……もちろん!
宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!」
ボーズ星人「お、おのれ宙マン……どうやってここを嗅ぎつけてきた!?」
宙マン「生臭い匂いだの、流れ着いた奇妙なウロコだの……
いろんな噂を聞き及んで、俄然興味が湧いてきてしまってね。
なぁに、ただの純粋な好奇心ってやつさ――」
宙マン「おおかた海坊主伝説を利用して、人を遠ざけようとしてたんだろう。
……つまらない小細工が裏目に出たようだな、怪獣軍団!」
ボーズ星人「ぐぬぬぬっ、よくも抜け抜けと……
“好奇心は猫をも殺す”、そんな教訓を知らないか!?」
宙マン「(ニヤリ)貴様こそ、この言葉を土産に持って帰るがいい――
“悪の栄えた試しなし”という、全宇宙共通の教訓をな!」
ファイティングポーズをとり、颯爽と身構える宙マン。
さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトルの幕開けだ!
ボーズ星人「ギシャァァ~っ、大口を叩きやがって!
こうなったらまず、お前から叩きのめしてやるぜ、宙マン!」
宙マン「いいだろう、どこからでも来い!」
激突、宙マン対ボーズ星人!
曇天の××海岸、その岩場において激しい戦いの火花が散る。
太く、強靭な右腕のムチで、猛然と殴りかかってくるボーズ星人。
その軌道をかいくぐりながら、果敢に接近戦を挑むは宙マン。
宙マン「はっはっはっ……
そんな攻撃、当たらなければどうという事はない!」
ボーズ星人「(苛立ち)おのれ、チョコマカと!」
大きく振りかぶり、ムチ腕を叩きつけてくるボーズ星人。
だが宙マンはジャンプ一閃、その打撃をひらりとかわして空へ!
ボーズ星人「ぬうっ!?」
宙マン「行くぞ、ボーズ星人!」
宙マン「エイヤァァーッ!
宙マン・ミラクル・キック!!」
電光石火の必殺キックが、半魚人の鼻先めがけてヒット!
これにはたまらず、ドドーッともんどりうって倒れるボーズ星人。
宙マン「どうだ、参ったか!
これに懲りたら、大人しく暗黒星雲に帰るがいい!」
ボーズ星人「ギシャシャシャ……のぼせるなよ、宙マン!」
「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」
怒り、口からの怪光線で反撃するボーズ星人!
凄まじい大爆発と衝撃が、宙マンの体を大きく吹っ飛ばす。
宙マン「(苦悶)う、うう……っ!」
ボーズ星人「ギシャシャ……今度こそ、俺のムチの餌食になれ!」
「なんの、負けてたまるか――
怒れ稲妻! 宙マン・ボルトサンダー!」
ピカッ、ゴロゴロドドーンっ!
海岸に響いた宙マンの気合とともに、念動力で発生させる正義の稲妻。
その直撃にダメージを受け、半魚人の動きが鈍ったところへ……
すかさず駆け寄り、がっぷり四つに組んで星人を捉えた宙マンである。
パワー全開、宙マンの豪快な一本背負い!
激しく岩場に叩きつけられ、ボーズ星人が目を回したところへ――
宙マン「とどめだ! 宙マン・グリップビーム!!」
ボーズ星人「ギシャアアアッ……
やっぱり今度も、こうなっちゃうのねぇぇ~っ!?」
やったぞ宙マン、大勝利!
宙マン「ようしっ。
……やれやれ、これで海坊主騒動も一件落着か!」
イフ「うぐぐぐっ……おのれ、またしても宙マンめが!!
毎度毎度、どこまで邪魔立てすれば気が済むのだ。
だが覚えておれよ……怪獣魔王ある限り、地球は必ずワシらの物だ!」
……などと言う、いつもの負け惜しみはさて置き。
かくして宙マンの活躍で、前線基地建設計画が粉砕されると同時に
××海岸の頭上には、再び眩しい真夏の太陽が戻ってきた。
地域に戻った平和を喜ぶかのように、岩場で群れ遊ぶ海鳥たち。
そして「一仕事」を終えた宙マンの胸に去来する思い、それは――
宙マン「ようし、決めたっ。
せっかくここまで来たことだし、近場で天丼でも食べて帰ろうっと♪」
……例のごとくの、物見遊山気分と「食い気」であったとさ。
山に、海に、そして街に……
異変があるなら、黙っちゃいない正義の味方。
さぁて、次はどんな活躍を見せてくれるかな?