それまでの「ニュージェネレーション」路線の単純な継承ではなく。
かと言って、単純な温故知新や旧態依然の展開でもない、もっと得体の知れない
「何か」として我々ウルトラファンの前に立ち顕れ、その粒ぞろいのストーリーと
極端に誇張し過ぎたマンガ演出ではない、節度あるドラマとしての見応えによって
多くのファンのハートをがっちりと掴み、去る1月20日に堂々の最終回を迎えた
ビジュアルシリーズ ウルトラマンブレーザー 全バトルクロニクル (講談社 Mook(テレビマガジン))
ともすれば販促ノルマや過剰に過ぎる過去作品設定との連携など、様々なしがらみと
「大人の事情」でがんじがらめになり、ひどく窮屈な息苦しささえも感じかけていた
現行の『ウルトラ』シーンに風穴をあけ、心地よく吹き込んできた「光る風」……
そんな第一印象の爽やかさを全く裏切ることなく、毎週の興奮やカタルシスとともに
確かな手ごたえの満足感をもたらしてくれた『ウルトラマンブレーザー』、僕も久々に
一視聴者として掛け値なしに、心から楽しく拝見させてもらっていました。
そんな『ウルトラマンブレーザー』が、TVシリーズの最終回放映に歩調を合わせて
ウルトラ関連書籍の老舗・講談社さんから「全バトルクロニクル』と銘打たれての
フルカラー版ムックで「緊急発売」されるとあっては、もはや本作におきましては
バリバリの信者状態と言ってよい僕のこと、まんまとその惹句に乗せられて(笑)
本屋さんへ走らずにはおれないわけでして。
で、このたびめでたく入手となった本書籍。
全25話+特別総集編の「美味しいトコロ」を余すところなく総まくり、と言うのは
決して伊達ではなく、大きめの写真サイズと美麗な印刷で紹介されている本シリーズの
特撮ハイライト・シーンと、本編映像からの抜き焼きカットの効果的な併用によって
TVでのあのド迫力と興奮が、鮮度そのままに僕らの手元へ直輸入。
しっかりした見ごたえある特撮シーンの特写は、掲載写真の中からひしひし伝わる
現場の熱気とともに、それだけでもう一級のエンタメたりうるのだ、と言うことを
適切な写真のチョイスやメリハリの効いた台割がしっかりと教えてくれますので
もうページをめくるたび、僕としてはニコニコ頬が緩みっぱなしです。
用語辞典や怪獣たちのデータ、メイン監督・田口氏とシリーズ構成・小柳氏による
対談インタビュー記事なども過不足なく盛り込まれ、本のカバーを外した下にも
買って読んだ人だけの「お楽しみ」があったりの楽しい一冊。
近年屈指の快作の熱が未だ冷めやらない貴方も、或いは本作未見であるという方も
本書を読めば、必ず『ブレーザー』が見たくなること請け合いです!