遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

寒い白昼(まひる)に暖をとれの巻

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観測史上でも類を見ないほどだとか、どうとか……

そんな話も、俄かに信憑性を帯びてくるほどに。

……寒い、とにかく寒い!

既に三月、暦の上では春……と言いつつ、毎日の寒さが身に堪える

そんな北海道千歳市の日々である。

そんな中、今回も幕を開ける『宙マン』のお話。

お風邪を召されぬようご注意の上、お付き合い頂きたい。

と言うわけで、まず最初にカメラを向けるべきは……

何と言っても毎度お馴染みのここ、千歳市ほんわか町5丁目の

「宙マンハウス」を置いて他にはあるまい。

 

宙マン「いや~、寒い寒い、今日の冷え方も厳しいねぇ!」

ビーコン「暖房のレベルも思いっきり上げてるはずなのに……

 それでもぜ~んぜん、部屋があったまんないっスもんねぇ」

落合さん「他の地域では水道管の凍結や破裂が相次いでいたり、と

 この寒波のせいで、大変な騒ぎだそうですわ」

ピグモン「えう~、寒すぎておんも出られないの~」

宙マン「たっはっはっはっ、まぁ、それはそれで仕方ないとして……

 逆に考えようじゃないか、家の中にいるからこそ出来るスタイルの

 いろんなことに集中できる良い機会だ、とね」

ピグモン「おうちのなかで、できること~?」

宙マン「う~ん、そうだね……例えば、ゆっくり読書とか!」

ピグモン「はうはう~、御本ならピグちゃんもだいすきなの~☆」

落合さん「本に親しむのは良い事ですわ、流石はお殿様です♪」

ビーコン「ヒヒヒ、本ならオイラだって普段から親しんでるっスよ!

 個人出版のエロくて薄い本とか、エロゲの攻略本とか……」

落合さん「(呆れ)えぇ、えぇ、貴方ならそう来ると思ってましたとも。

 ハイッ、却下です却下、解散解散!」

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ビーコン「んー、エロいからって頭ごなしに排除?

そー言うレッテル貼りは嘆かわしい限りっスねぇ――

 よし、そんなら読書会やるっスよ、エロ本朗読会!」

落合さん「だーっ、毎度毎度、このエロ怪獣は……!」

 

懲りないビーコンに、落合さんの鉄拳制裁が炸裂しようとした時。

そう、まさにその時である!

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ゴゴゴゴ……グラグラグラグラっ!

 

ビーコン「お、おりょりょりょっ!?」

ピグモン「きゃああんっ、また地震なの~!」

宙マン「この揺れ方……どうにも嫌な予感がするね!」

落合さん「と言う事は、今日もまたまた……!?」

大地を割り、次々と出現する大怪獣……

良くも悪くも、それが千歳市「日常」となって久しい。

勢いよく土砂を噴き上げ、大地を割り割いて……

今日もまたまた、地底からその姿を現した巨大なシルエットは!?

「ゲゴゲゴゲゴゲゴ~っ!!」

 

ピグモン「ああっ、やっぱりなの、やっぱり怪獣なの!」

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ビーコン「う~ん、やっぱりつーか、何つーか……」

落合さん「こういう予感に限って、的中するものですわよねぇ!(汗)」

 

忍者の名門として知られる甲賀五十三家のお膝元、滋賀県甲賀の里出身。

ガマガエルが巨大成長した怪忍獣、その名も千年蟇(せんねんがま)!

ビーコン「どひ~っ、直球勝負っつーか、ひねりがねーっつうか……」

落合さん「カエルのお仲間なら、もう少し冬眠していて宜しいんですのよ!?」

千年蟇「ゲコゲコゲコ、俺もそのつもりだったんだけどよぉ……

 でもしょーがねぇだろう、寒すぎて目ぇ覚めちゃったんだから!」

千年蟇「ゲコゲコ、寝すぎってのもそれはそれで疲れるもんでな。

 だから冬眠明けに、まずはパーッと手足を動かさねぇと――

 千歳の街でもブッ壊しゃ、いい目覚めの運動になるだろうぜ!」

ビーコン「どひ~っ、あんなコト言ってるっスよ~!(汗)」

落合さん「いつぞやの宇宙昆虫さんと言い、大百足さんと言い……」

ビーコン「今シーズンは多いっスねぇ、こういうケース!」

 

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ピグモン「(震えて)はわわわ、おっかないの~!」

宙マン「……むむっ!」

イフ「わははは! そうだ、その元気だ!

 思い切り暴れるがよいぞ、千年蟇。

 うんと発散してスッキリし。ポカポカ暖まっててこい!」

千年蟇「ははぁーっ! 魔王様、有難き幸せ~!」

怪獣魔王のお墨付きを得て、これ幸いと進撃を開始する千年蟇!

迫り来る巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う千歳の人々。

ビーコン「どひ~っ、えらいこっちゃ、えらいこっちゃっス!」

落合さん「春の訪れにしては、少々物騒すぎですわねぇ!」

 

厳寒の千歳市を揺るがす怪忍獣の咆哮!

宙マン「(立ち止まって空を見上げ)おおっ。……あれは!」

ピグモン「(も頷いて)防衛隊のヒコーキなの~!」

そう!

この危機を前にして、防衛隊の戦闘機がスクランブルをかけたのだ。

 

「ようし……全機、攻撃開始っ!」

最新のレーザー砲による攻撃!

だが、度重なる直撃をものともせず突き進み続ける千年蟇の巨体。

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ピグモン「き……効いて、ないの~!?」

落合さん「努力は買いますし、気高いほどに素晴らしいのですが……」

ビーコン「……う~ん、でもあと一歩、あと一歩なんスけどね~!?(汗)」

 

千年蟇「ゲコゲコゲコ……うるせぇぞ~っ!」

「の、のわぁぁぁぁ……っ!?」

千年蟇の吐き出す火炎で、次々に撃墜されていく戦闘機。

更に、その火炎の威力は千歳の街にも容赦なく……!

爆発! 炎上!

紅蓮の炎に包まれる中を、我が物顔で突き進む千年蟇の憎らしさ。

 

千年蟇「ゲコゲコゲコ……俺ちゃん、ぬくぬく、ぽっかぽか。

 一足早く、なんだか春が来たみた~いっ❤❤」

ビーコン「う~ん、台詞だけならほのぼの路線なんスけど……」

落合さん「この状況は、色んな意味で洒落になってませんわ!」

ピグモン「はわわわ……宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、暴れる千年蟇の前へ舞い降りる!

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宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 怪獣軍団の悪の使者、悪ふざけはそのくらいにしておくがいい!」

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ズ、ズーンっ!!

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ビーコン「ああっ……毎度ながらの、この安心感っスよねぇ!」

落合さん「当然ですわ、私たちのお殿様ですもの!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

千年蟇「ゲコゲコゲコ、出てきやがったな、ロートル!」

宙マン「ああ、出てきたとも、たとえ現役を引退しようとも……

 愛する街の大ピンチを、黙って見ているような私じゃない!」

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全身にみなぎる怒りを力に変え……

ファイティングポーズをとって、敢然と身構える宙マン。

千年蟇「上等だァ、捻りつぶしてやるぜ!」

宙マン「さぁ、来いっ!!」

激突、宙マン対千年蟇!

落合さんたちが見守る中、巨大な両者の攻防戦が火花を散らす。

四本足で這い回り、猛然と挑みかかってくる千年蟇。

その突進に手こずりながらも、パンチの連打で果敢に応戦する宙マン。

バシーン、バシーンっ……

打撃音とともに、千年蟇めがけて幾度も打ち下ろされる鉄拳!

宙マン「えいやっ! どうだ、参ったか、これでもか!」

千年蟇「むううっ、ナメるな宙マン……ゲコゲコゲコーっ!!」

怒りに燃えた千年蟇の、猛烈体当たりがヒット!!

さしもの宙マンの巨体も、大きく吹っ飛ばされて宙に舞わされる。

ズ、ズーンっ!

 

落合さん「(驚愕)……お、お殿様っ!?」

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ビーコン「や、ヤバさの度合いがシャレんなってねーっス!」

ピグモン「はわわわ、宙マン、負けちゃ嫌~んなの~!」

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「ああ、勿論だとも……負けて、なるものかッ!

 

千年蟇「ゲコゲコゲコ、これでとどめだァ!」

口から火炎を吐き出す千年蟇。

だが宙マンは、その一閃をひらりとかわして大空にジャンプ!

千年蟇「(驚き)な、何ィッ!?」

宙マン「千年蟇よ、今度はこっちからのお返しだ!」

宙マン「エイヤァァーっ!

 宙マン・ミラクル・キック!!

出た、電光石火の必殺技!

千年蟇の巨体が吹っ飛び、ドドーッと音を立てて倒れたところへ――

 

宙マン「とどめだ!

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、千年蟇を直撃!!

千年蟇「げ、ゲコゲコゲゴっ……

 あったまりすぎて、茹だっちゃいましたぁぁ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~♪」

ビーコン「いえっふ~、ばっちし決まったっスねぇ、アニキ!」

落合さん「お殿様、お流石です……♪(うっとり)」

イフ「うぐぐぐっ……おのれ、にっくき宙マンめが!

 またしても、またしてもワシらの面子を潰してくれたな。

 この恨み、何百倍にもして叩き返してくれようぞ……!」

 

……などと言う、毎度お馴染みの負け惜しみはさて置き。

我らが宙マンの活躍によって、甲賀育ちの怪忍獣・千年蟇は撃退され

街には再び、おだやかな平和の時が戻ったのであった。

 

落合さん「改めまして……お疲れ様です、お殿様!」

ビーコン「やっぱここ一番で、頼りになるのはアニキっスよねぇ」

ピグモン「宙マンのおかげで、みんな安心なの~」

宙マン「そうそう、そうやって安心して気が緩んだら……

 また改めて、この寒さが身に沁みてこたえてくるねぇ!(汗)」

落合さん「家に帰って暖まりましょう、お殿様。

 こんな日にぴったりの、キムチ鍋でも用意致しますから!」

宙マン「いいねぇ、キムチ鍋、有難いよ!」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも大好きなお鍋なの~♪」

ビーコン「で、ピリ辛のキムチ鍋を楽しんだ後は……

 甘くとろけるエロ本朗読会で、身も心もポカポカに……♪」

 げ し っ !

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落合さん「ねーいっ、そんなにコレがお望みでしたら……!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、そりゃポカポカならぬ「ボカボカ」っスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

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ソフトな笑顔と、ハードな闘魂……

二つ合わせて、宙マンのホットな雄姿に。

さぁ、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?