遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

響け爆音、雲果つるまで

 

 

 

 

棚からボタ餅状態で、唐突に訪れたビンテージ玩具とのお戯れタイム。

今の目で見れば、プロポーション的にもギミック的にも厳しい面はあるものの

ただショーウィンドー越しに眺めるばかりではなく、直に触れて遊ぶことによる

何ともいえないワクワク感は、やはり何者にも代え難いものがあります。

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てなわけで、今回のご紹介はこちら……

そのハードなシリーズ構成が生む重厚なドラマと作品世界の魅力に、本放映から

30年余の時を経ての再評価の声が高まっているロボットアニメの早すぎた意欲作、

1976年放映『グロイザーX』より、亀マークの商標にておなじみの中嶋製作所から

“ウルトラ合金”レーベルでリリースされた主人公メカ・グロイザーXです。

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いわゆる一般的な認識においてのヒーローロボットであるグロイザーロボよりも

この巡航形態・グロイザーXの活躍に劇中でのウェイトが置かれ、大型爆撃機

ロボットの顔がついている、その異形のシルエットが生む問答無用のインパクトで

一度見たら決して忘れられないであろう本機。

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そんな本機を、爆撃機形態にて合金玩具化したのが本アイテム。

さすがに「絵ならではの無茶・無理」が駆使されている劇中の変形システムゆえ

グロイザーXからロボへの完全変形、というわけにはいきませんが……

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翼部格納庫に潜水艇・Gシャークを収納できたり、背中からせり出すカタパルトで

小型飛行機・Gジェットを射出できたり、単三乾電池を挿入することによって

機体後部のタキオンエンジンが赤く点灯したりという具合に、空中要塞ならではの

楽しいギミックが随所に盛り込まれています。

 

……ただ、いかんせんその電飾ギミックが既に「死んで」いたり、付属してくる

ミニサイズのGジェット&Gシャークがなかったりもするのですが、コレに関しては

こうして触れただけでも御の字ですので、贅沢は言わないことに致します(笑)。

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そして、“ウルトラ合金”ならではのオリジナリティある優れた機構と致しまして

機体下部のランディング・ギアが二段階の可動をするようになっていて、格納庫や

滑走路における通常の着陸状態と、豪快な劇中の空中飛行をイメージした状態の

どちらか好きな方でディスプレイできるのが、正に技アリ一本な感じです。

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以上、中嶋製作所“ウルトラ合金”版グロイザーXのご紹介の巻でした。

アニメ劇中におけるグロイザーXの特異なスタイリングを上手く捉えている造形、

適度に盛り込まれたギミック、そして児童向け玩具としてのタフさ……

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複数のおもちゃメーカー競合による、1970年代後半・合金玩具ラッシュにおいては

比較的短命に終わった“ウルトラ合金”ブランドではありますが、それらの中でも

個人的には一、二を争うほどの良い出来の玩具ではなかろうかと思いますね~。