遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

怪獣は夜ニヤニヤ笑うの巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210701220114j:plain

とっぷりと日が暮れ、暗闇を多彩なネオンライトが彩り……

昼間とはまた違った装いと賑わいを見せている、真夜中の北海道千歳市

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211126185036j:plain

そんな夜の街に目を向けてみれば、さっそく視界に入ってきたのは
宙マン、ビーコン、落合さんの三人である。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429013314j:plain

と、言うわけで。

今回の『宙マン』は、ここから物語を始めてしまおう。

 

 

 

ビーコン「いやぁ~、食った、食ったっス!」

落合さん「ほ~んと、美味しいやきとりでしたわね~」

そう、この日、「宙マンハウス」の大人たち三人は、千歳市内の某店舗で開かれた

ほんわか町内会の新年度懇親会にて、大いに飲み食いしてきたばかりであった。

 

ちなみに北海道では、豚肉の串焼きも「やきとり」と称するということは

本シリーズにお付き合い下さっている諸兄諸姉には、改めて説明するまでもない

周知の事実である、と言ってよいだろう。

宙マン「さすがは宇佐美さん推薦の店だけあって、旨かったねぇ」

落合さん「炭火焼きですから、お肉のふっくら具合が段違いなんですのよね」

ビーコン「宇佐美さんの旨いもんデータ、ほ~んと、外さないっスよね~」

宙マン「あぁ、本当に旨かった。

 今度は是非、ピグモンとも一緒に来たいもんだねぇ」

落合さん「お土産用に、何本か包んでもらえばよかったですかしら?」

ビーコン「いや~、なんかもうオイラたち、すっかり夢中になって…

  自分が食うのだけで精一杯だったっスよねぇ~(頭かきかき)」

宙マン「いやぁ、全くだよ、面目ない」

落合さん「では……

 どこか別のお店で、ピグモンちゃんへのお土産でも買って帰りましょうか」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211126193118j:plain

ビーコン「寿司か、ケーキか……お土産の定番ってったら、その辺っスかねぇ?」

宙マン「みくるんちゃんたちの家にお泊りに行ってて、帰りは明日になるからね。

 どうせ買うなら、ある程度は日持ちのするものの方が……」

 

……と、歩きながらのうちに話はまとまって。

さて、これからピグモンへのお土産でも買いに行こうか、と言うその時であった!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211126185608j:plain

ゴゴゴゴ……グラグラグラグラっ!

 

宙マン「む、むむっ!?」

ビーコン「ちょ、冗談じゃないっスよ、地震だなんて!」

落合さん「もしや……もしかして、例によってまた……!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211126185743j:plain

平和な夜の街を、突如として激しく揺さぶる大地震

ビルが崩れ、道路が裂け……

地面の割れ目から噴き出す、濛々たる土煙の中から現れたものは!?

「ぴゃごごごぉぉ~んっ!!」

 

重厚な鳴き声とともに、両目を光らせながら地上に進み出てくる巨体。

これもまた、もちろん怪獣軍団の一員だ――

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429015512j:plain

落合さん「あらいやだ……やっぱりですわよ、やっぱりぃ!(汗)」

宙マン「むうっ……あの姿、前にも一度見たことがあるぞ――」

ビーコン「(頷き)透明怪獣・ネロンガっス~!!」

「ぴゃごごぉぉ~っ、残念ながら不正解っ!
 ネロンガってのは、俺の父方の従兄弟の名前よ――
 そしてこの俺は
独角怪獣・ネロン様だ。

 従兄弟の恨み、俺が今から晴らしてやるぜィ!

 

koumemylove4794.hatenablog.com

ビーコン「おおう、なんつー直球勝負の逆恨み!」

落合さん「出現の理由としては、確かに分かりやすいですが……」

宙マン「だからって、こんな夜遅くに出てこなくてもいいだろう。

 少しは人の迷惑も考えてくれたまえ!」

ネロン「ぴゃごごご~っ、、そう言われても……

 昼間は昼間で、見たいドラマやバラエティ番組が目白押しだかんなぁ。

 色んなタイムスケジュールがあり、ライフスタイルがあるんだから

 一方的なモノサシで責めんのは、一種の傲慢だと思うね俺ぁ」

宙マン「ううむっ……言われてみれば、確かに正論だ!」

ビーコン「……って、納得してどうすんスか、アニキ!?(汗)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426130014j:plain

イフ「もうよいネロン、そんな奴らの戯言に構うな!

 お前は、お前の使命を果たすのだ……粛々と、かつ思い切り派手にな!

 徹底的に暴れて、千歳の街をメチャクチャに破壊してしまえ!」

ネロン「ぴゃごごぉぉ~んっ! お任せ下さい、魔王様!」

怪獣魔王の命を受け、奮い立つ大怪獣ネロン!

逃げ惑う人々を追い散らすかのように、傍若無人の進撃を開始する。

ビーコン「ひぇぇ、せっかく旨いもん食っていい気分だったのに……」

落合さん「この騒動で、いろいろと台無しですわねぇ!」

 

ネロン「ぴゃごごぉぉ~んっ、お楽しみはここからだぜ――そりゃっ!」

ネロンの鼻先の一本角から、地上めがけて放たれる赤色光線。

命中すると同時に大爆発を起こし、街が炎に包まれていく!

燃え盛る炎! 人々の悲鳴!

赤い照り返しを受けながら、してやったりとばかりにニヤニヤ笑いを浮かべた

怪獣ネロンの何と怖ろしく、厭らしいことよ。

ビーコン「どひ~っ、こりゃまた大変なことになっちまったっス~!?」

落合さん「こうなっては……いま、頼りになるのはお殿様だけですわ!」

宙マン「……仕方がない!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

まばゆい光に包まれながら、颯爽と巨大化する我らが宙マン。

さぁ、正義の味方のお出ましだ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429015512j:plain

ビーコン「いえっふ~! 出たっス、ウチのアニキの十八番!」

落合さん「よろしくお願い致しますわねぇ、お殿様っ!」

ネロン「びゃごごご……出たなァ、宙マン!」

宙マン「怪獣ネロンガ……じゃなかった、その従兄弟のネロン君。

 つまらぬ悪事はやめて、暗黒星雲に帰るがいい!」

ネロン「びゃごごご……ダボがぁ!

 このまま素直に帰っちゃ、俺のメンツが立たねぇんだよっ!」

宙マン「あくまでやる気か……いいだろう、だったらとことん相手になるぞ!」

身構えた宙マンの双眸に、ひときわ眩い正義の光が宿る。

さぁ、今日もまた、世紀のビッグファイト開幕だ!

激突、宙マン対ネロン!

落合さんたちがハラハラと見守る中、両者の攻防戦が火花を散らす。

ネロンの武器は、鼻先にニョッキリ生えた巨大な一本角。

この角を時にナイフのごとく振り回し、時に槍のごとく身構えながら

持ち前の凶暴性の赴くまま、苛烈な突進攻撃を仕掛けてくるのである。

突進、突進また突進、怒涛のラッシュで攻めに攻めるネロン!

その勢いに押されつつも、怯まず反撃の隙を伺う宙マンである。

 

ネロン「ダボが、そんな美味しい機会くれてやるかよォ!」

迸るネロンの赤色光線!

 

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429021831j:plain

たちまち巻き起こる大爆発、叩きつける爆風!

その衝撃に吹っ飛ばされ、したたかに地面へ叩きつけられる宙マン。

落合さん「ああっ、お殿様!」

ビーコン「あんにゃろ、デカい口叩くだけはあるっス!(汗)」

 

イフ「わはははは……愉快、痛快!」

イフ「いいぞ、ネロンよ、その調子で攻めたてろ!

 今宵こそは、にっくき宙マンにとどめを刺す時ぞ――

 そしてこの夜は、怪獣軍団にとって記念すべき夜となるのだ!」

宙マン「(苦悶)うう……うっ!」

ネロン「ぴゃごごぉぉ~んっ、決めさせてもらうぜよ!」

「なんの、これしき……負けて、たまる、かァァッ!

根性一発、宙マンのキックが突進してきたネロンへと炸裂!

よけ損ねたネロンが、たまらずどどーっと倒れたところへ――

 

宙マン「とどめだ!

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ネロンを直撃!!

ネロン「あびゃびゃびゃっ……済まねぇ従兄弟よ、俺もこのザマ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429022905j:plain

落合さん「お見事です!……やりましたわね、お殿様!」

ビーコン「いえっふ~! 宙マンのアニキ、サイコーっスよ~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「おのれぇぇ……またしても、またしても宙マンめが!

 だが、いい気になっているのも今のうちだけだぞ……

 次々に新手の怪獣を繰り出して、必ず息の根を止めてやる!」

 

……などと言う、毎度の負け惜しみはさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211126192856j:plain

かくて我らが宙マンの活躍により、恐怖の大怪獣ネロンは撃退され

千歳の街は、また静かで心地よい夜を取り戻したのであった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429023131j:plain

落合さん「どうもお疲れ様でした、お殿様。

 さぁさぁ、怪獣退治も一段落したことですし、早くお家に帰って……」

宙マン「いや、それもいいんだけどね。

 ……せっかくだし、どこか別の店で呑み直していかないかい。

 今日みたいないい夜、早寝にはちょっと勿体ない気がするよ」

ビーコン「ひゃっほう! さっすがアニキ、そうこなくっちゃっス!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429023424j:plain

ビーコン「思いっきり飲んで、気持ちよ~く酔ったその勢いで……

 今度は別の意味で、しっぽり気持ちいいことを……っしょ?」

落合さん「は?」

ビーコン「ヒヒヒ、今更何をウブなオボコぶってるっスか、落合さぁん!

 このオイラがいる限り……ウシシ、今夜は寝かせないっスよぉ!」

落合さん「(こめかみピクピク)……はぁ!?」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429023844j:plain

落合さん「ねーいっ、貴方はさっさとお休みなさい! 出来れば永遠にっ!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、落合さん節は新年度でも痛烈っスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

混沌(カオス)の闇を拭き払い……

宙マンの強い腕が、今日も平和の光を招く。

さて、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?