遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンブレーザー』15話、見ました!

今なお現在進行形で個性派揃いの顔ぶれを生み出し、世に送り出し続けている

ウルトラ怪獣たちの中にあって、こと「描きやすさ」の一点におきましては

ぶっちぎりの一位をキープしているであろう(笑)二次元怪獣ガヴァドン

デビュー作である『ウルトラマン』15話におきましては、「謎の宇宙線の作用で

土管の落描きが生命を持ち、巨大怪獣化した」と言う設定を提示し、この後に

「描き直され」て登場する、より怪獣然としたガヴァドン(B)の存在を引き立てる

あくまでも「前座」であり……それだけに他の怪獣たちに比べて再登場させるのが

難しく、と言うか有り得ないだろうと思われていたハンペン状のガヴァドン(A)が

このたび、57年ぶりにまさかの大復活(笑)!

 

奇しくも(あるいは最初から狙っていたのかな?)同じ15話目と言う放送順、

「恐怖の宇宙線」の脚本準備稿時の仮題をタイトルとして採用すると言う

心憎いチョイス&センスに加えて、もはや劇中における多少の矛盾そっちのけで

とにかくガヴァドン(A)を撮るんだ、ガヴァドン(A)を見せるんだ!」と言う

作り手のパトスとリビドーが全編に充満しているのはいっそ清々しいほどです(笑)。

ウルトラ怪獣204 ガヴァドン

ウルトラ怪獣204 ガヴァドン

 

さて、原点同様に子どもの落書きに宇宙線が当たることによって生命が宿り

どこか牧歌的なムードの中、子どもたちとガヴァドンとの間に不思議な思い出が

忘れ得ぬ少年期の一頁として刻まれる――と言う構成はオリジナル版と同様ながら

そこに主人公・ゲント隊長の実子であるジュン君の「周りの空気や顔色を気にして

大人の考える「いい子」になってしまいがち」な性格や、ガヴァドン事件を通じて

交流を持つことになったアラタ・ツムギ兄妹とのやりとり、ラストシーンにおける

ヒルマ夫妻との会話などによって、本作のテーマである「コミュニケーション」を

どちらかと言えば箸休め的なエピソードにも関わらずしっかり一貫させている点は

やはり「いまどきのウルトラ」ならでは、と言う感じでしょうか。

 

そして今回、全編に渡り大活躍してくれた子役さんたちの元気さは勿論のこと

休暇に入ってリラックスモードのゲント隊長とSKard隊員たちとの通信会話だったり

ジュン君に関してのヒルマ夫妻のやりとりだったりと、本筋には絡まないながらも

劇中の世界観や人物描写に、より生身の血が通った「うるおい」を感じさせてくれる

細かなドラマ描写の数々が実に嬉しかったですねぇ。

 

話数が進み、V99やハルノ参謀長が前面に出て来ると、重苦しい緊張感の連続で

「そういうの」はお呼びじゃなくなっちゃいますんで、もうここぞとばかりに(笑)!

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

バンダイ(BANDAI) ウルトラマンブレーザー DXアースガロン

 

で、そういうリラックスムードのお話ですので、アースガロンが出てきても

デマーガ回同様に「悪役」にならざるを得ないのは目に見えていますので(笑)

今回、アースガロンの出番がなかったのは適切な判断かと。

 

なんでも巷では劇中同様、本編における怪獣キルスコアの有無だけを問題にして

「アースガロンは全く活躍していない」との声もあがっているようですが……

個人的には僕、その意見にはものすごく懐疑的で。

 

世界観の象徴たるその存在が数々のドラマを生み、毎回のゲスト怪獣と渡り合って

その魅力を引き出し、充分に「場を温め」たところで光の巨人にクライマックスの

バトンを手渡す……と言うのは、むしろ実に見事な活躍ぶりじゃありません?

フィギュアライズスタンダード ウルトラマンブレーザー 色分け済みプラモデル

フィギュアライズスタンダード ウルトラマンブレーザー 色分け済みプラモデル

 

で、最後にちょっと余談なんですけど。

「大きく、より大きく」と、ジュン君やアラタ君たちがその都度描き直したのが

ガヴァドン巨大化に対する劇中でのエクスキューズなんですが……あれれっ?

 

それで行くと「描き直されるたびに出現したガヴァドンは別固体」なのかな?

だったら宇宙船の効果が薄れてガヴァドンが消える日没までそのまま放置しておけば

実は何の問題もなかったのかな? な~んて(笑)。

 

それはさておき、そのガヴァドンが姿を消すシーンの合成もまたよかったですね、

何となく往年のピープロ・アニメ合成的な趣もあって(微笑)。

[バンダイ] ウルトラマン DXブレーザーブレス 最強なりきりセット

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と、何ともとりとめない意見の垂れ流しではありますが……

総じて今朝のやつは、僕もリラックスして楽しませてもらえました。まる。