遊びをせんとや生まれけり

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虹をよぶ蛇

従来の怪獣ソフビにアクションフィギュア的な発想をも加え……

コスト高騰を怖れることなく、よりこまやかな形でのパーツ分割やPVCなどの異素材を

積極的に盛りこむことによって、一段上を行く遊び応えの怪獣玩具を目指そうと言う

バンダイ怪獣ソフビの新機軸、「ウルトラ怪獣アドバンス」。

現在放映中の『ウルトラマンブレーザー』に歩調を合わせ、去る8月26日に

リリースされたばかりの新商品がこちら……

時に恵みの慈雨をもたらす豊穣の神として、また時に暴風で全てを洗い流す

荒神」として様々に語り継がれ、今まさに復活を遂げてその猛威を見せつけ

アースガロンもブレーザーも、微動だにすることなく退ける圧倒的な強さで

多くのウルトラファンの度肝を抜いた”天弓怪獣・ニジカガチ”であります。

牛骨の頭部を模したかのような「兜」をはじめ、古代戦士が鎧をまとったような

戦闘的かつ古色蒼然としたスタイルと、その名前の由来でもある「虹」を思わせる

きらびやかな彩色が相まって、単なる野生動物と言う以上の神秘性に富んだ

「荒ぶる動物神」的イメージの創出ぶりが素晴らしいニジカガチ。

昨今の製造コスト面での折り合いの中での商品化故に、どうしても背面部をはじめ

塗装省略が見られるのはもはや恒例なのですが、それをも帳消しにして余りあるほど

どっしりとした重量感あるフォルムの再現ぶりが見事です。

そう、何と言ってもニジカガチの魅力の一つはこの「どっしり感」!

劇中でもほぼ身じろぐそぶりさえ見せず、ただどっしり構えているだけでも

アースガロンやブレーザーの攻撃をほぼ寄せ付けなかった不動(笑)明王っぷりは

この下半身のボリュームマシマシな安定感あり過ぎのフォルムで更に説得力を増し

ソフビだから軽いはずなのに、手に持てば「ずしっ」と言うベタな効果音とともに

重みが手首まで伝わって来そうな錯覚さえ覚えるほどです。

そしてそして、本商品が「アドバンス」枠である理由……

劇中でも極めて効果的な見せ場として用意された、兜が開いて素顔を晒すアクションが

しっかり再現可能である、ということ!

構造的には極めて単純なギミックながらも、その効果たるや絶大。

手の中で弄んでいるだけでも、あの強力すぎる頭部からの破壊光線発射シーンが

劇中の効果音と共に、自然に脳内再生されてきそうです(笑)。

更にもう一つ、尻尾の「剣」の伸縮ギミックも用意。

伝奇的モチーフが基調となっているニジカガチ登場の前後編エピソードであるだけに

「怪獣の尻尾の剣」と言う設定から。日本神話の英雄神であるスサノオノミコト

八岐大蛇の体内から取り出した天叢雲剣のイメージを重ねることは容易で……

それだけにこの「剣」も、このニジカガチとの壮絶な戦いを終えた暁には

ヒーローたるブレーザーの手に当たり、彼の心強い武器となるのだろうか? などと

今からあれこれ想像をたくましくして見るのも一視聴者の楽しみですよね。

以上、簡単ではありますが……

今回は「ウルトラ怪獣アドバンス」版・ニジカガチお迎えのご報告でした~。