遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

いきなり! 白昼の蒼き炎(フランム)の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

別宇宙の支配者として君臨し、今また地球をもその毒牙にかけんと

侵略の魔手を延ばしつつある魔界の帝王がいる。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211024224441j:plain

土星の第二衛星・エンケラドゥスの白く凍てつく地表……

その極寒の中に、忽然とそびえる鉤爪上の超巨大オブジェ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211024224449j:plain

まさにそれこそ、大悪党ロード・ゼッドの居城。

……そしてゼッドは絶対の支配者として、玉座につき君臨しつつ

今日もまた、地球攻撃の機会を伺っていたのであった。

 

 

 

ロード・ゼッド「……と、言う前置きではあるが」

ロード・ゼッド「ぶっちゃけ、その辺どうなのだ、フィニスターよ?

 完璧主義も、芸術至上主義も結構だが……

 そのたびに、こう待たされるのでは我輩の威厳にも関わる!」

フィニスター「まぁまぁ、そうカッかなさりますな、我が君よ。

 ……既に我が芸術は、ゼッド卿の魔力で誕生を迎えるその瞬間を

 今や遅しと待ちかねておりますからして!」

ロード・ゼッド「おおっ、遂にか!」

ロード・ゼッド「して、こたびの趣向はどのような……?」

フィニスター「ぬふふ、それは見てのお楽しみと言うことで」

ロード・ゼッド「こやつめ、わはは、勿体つけおってからに。

 ……よかろう、では貴様の自信作、とくと拝ませてもらおうではないか!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211024224748j:plain

「ウソル・デラピダトーレ・テンタトーレ・ソイナトーレ……

 デボラトーレ・マンシトーレ・エシェデュクトーレェ……

 朽ち果てし万物の精霊よ、大気に遍く邪悪の意思よ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211105195625j:plain

「悪の心を呼び醒まし、魔可異の姿を創り出せ!

カァァーッ!!

 

と、言うわけで……

今回はのっけから、ゼッド一味の侵攻で幕を開けた『宙マン』!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210718193640j:plain

ゴゴゴゴ……グラグラグラグラッ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211129025441j:plain

ピグモン「きゃああんっ、地震なの、怖いの~!」

落合さん「これはもしや、またまた事件の……」

ビーコン「だとしたら、かなり唐突でいきなりっスねぇ!?(汗)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220405160547p:plain

そう!

迫り来る悪の魔の手は、いつだっていきなり、かつ唐突。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210719144928j:plain

ガラガラと崩れ落ちるビル、鳴動する大地。

人々の意表を突き、地底からその巨大な姿を現したもの……

怪物職人・フィニスターの次なる「芸術作品」とは!?

「ギャオォォォーッ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

ピグモン「ああっ、なんか出てきたの!」

ビーコン「怪獣……とは、ちょっと違うみたいスねぇ?」

落合さん「かと言って、宇宙人と言うわけでもなさそうですし……」

ビーコン「ってコトは、アレっスか!?」

宙マン「(頷き)間違いない、ロボットだ。

 ……破壊活動用の、侵略ロボットだ!」

そう、まさにこれこそ今回の恐るべき敵。

フィニスターの手で造られ、ロード・ゼッドの魔力によって起動した

巨大なる侵略ロボットだ!

 

フィニスター「ふぉふぉふぉ……いかがですかな、この雄姿!」

フィニスター「左様、さよう――

 どんな攻撃にも耐える宇宙金属によってその全身を形成し、

 居並ぶ敵を叩いて砕く。

 勝利のみを目的とした、完全無欠なる悪の申し子……

 それこそ我が芸術、この“ファイア二世”にございます!」

ロード・ゼッド「…………(無言)」

フィニスター「……ありゃま、いかがなされました、我が君?

 日頃より新作を完成させろ、完成させろ……と、あれほど口やかまし

 ワシをせっついていた割には、いささかご反応が鈍いようで……」

ロード・ゼッド「あ゛ー、いや~、その……何と言うか……だな?」

フィニスター「何ですゼッド卿、何かご不満な点でも?」

ロード・ゼッド「いや、不満と言うか、何と言うかだな……

 ……エェイッ、この際だからぶっちゃけさせてもらうぞっ。

 もう少しこう、デザインを今風に出来なかったのか!?」

フィニスター「今風、ですと?」

ロード・ゼッド「ほれ、アレだ……

 例えば昨今流行のカ●キ風アレンジとか、NA●KI風スタイルとか。

 ……何かこう、もっと……あるだろう!?

フィニスター「(間髪入れずに)お黙らっしゃい!!

フィニスター「偉大なる悪の帝王、ロード・ゼッドともあろうお方が……

 何ですかっ、その情けない物言いはッ。

 よいですか、安易なディテールの追加や複雑化だけで良しとしてしまう

 そういうトコロから、モンスターデザインの堕落と言うものが……」

ロード・ゼッド「だーっ、もういい、わかったわかった!

 講釈はいいから、とにかくファイア二世を暴れさせろ!」

フィニスター「(溜息)やれやれ……本当に判っておられるのやら!?」

フィニスター「さぁ、我が子よ、我が芸術よ……

 そなたの欲するままに行え、蹂躙せよファイア二世!」

ファイア二世「ギャオォォォーッ!!」

造物主フィニスターの命令を受け、進撃開始する怪ロボット!

迫り来るファイア二世の巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う人々。

 

ビーコン「どひ~っ、今回は急展開にも程があるっスよ~!」

落合さん「全くですわ、打ち切り漫画の最終回じゃあるまいし!(汗)」

怪ロボットの暴虐、許すまじ!

千歳の平和を守るべく、航空防衛隊が直ちに出撃した。

ピグモン「あっ、航空防衛隊のおじさんたちなの!」

ビーコン「今回こそは……やってくれるといいんスけどねぇ!?」

落合さん「ええ、それはもう……物凄く、切実に!」

「ようし……全機、攻撃開始だっ!

大空の戦闘機編隊から叩きこまれる、ロケット砲の一斉攻撃!

人間相手の戦争ならば、絶大な威力を発揮するであろう通常兵器……

だが、宇宙金属製のファイア二世には全く通用しない。

 

フィニスター「ふぉっほほ、我が芸術にそんな攻撃が通じるものかよ!」

「う、うわぁぁぁぁ……っ!」

ファイア二世の指先から迸る、稲妻状の破壊熱線!

その直撃を受け、戦闘機隊は一機、また一機と撃墜されていく。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426231846j:plain

爆発! 炎上!

怪ロボット・ファイア二世の傍若無人な進撃によって、千歳市

今や焦熱地獄、破壊と混乱の巷と化していた!

 

落合さん「……あらあらまぁまぁ、どうしましょう!?」

ビーコン「ひぇぇ、もうだめっス、おしまいっス!」

ピグモン「はわわわ、宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「(頷き)こうなったらもう、やむを得ん!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、暴れるファイア二世の前へ舞い降りる!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 怪ロボットめ、これ以上の傍若無人は私が許さんぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426150029j:plain

ズ、ズーンっ!!

 

土砂を巻き上げ、宙マンの巨体が勇ましく地に降り立つ。

新たなる「敵」の出現を感知し……

今、ファイア二世がぎろりと眼光鋭く向き直った。

フィニスター「ふぉっほほほ、そうじゃファイア二世……

 そやつが宙マン、お前の倒すべき相手じゃ。

 我が芸術の子よ、宙マンなど捻り潰してしまえィ!」

ファイア二世「(咆哮)ギャオォォォーッ!!」

宙マン「ようし、来るなら来い。……勝負だ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。

真っ向激突、宙マン対ファイア二世!

千歳市中心部を舞台に、巨大な両者の死闘が展開される。

ビーコン「ひぇぇ……ウチのアニキは大丈夫っスかねぇ!?」

落合さん「なんの、お殿様の勝利を信じましょう!」

ピグモン「(頷いて)宙マ~ン、がんばってなの~!」

落合さんたちの声援を受け、懸命に戦う宙マン!

だが、宇宙金属の鋳造によって全身を形成し、山を砕くパワーを有する

ファイア二世の「固さ」には、さしものヒーローも手を焼かされる。

宙マン「ううむっ、何て……何て言う、頑丈なやつだ!」

ファイア二世「(咆哮)ギャオォォォーッ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426152748j:plain

宙マン「ようし、こうなったら……

 怪ロボットめ、エクシードフラッシュを受けてみろ!」

幾多の怪獣・宇宙人らを倒してきた、宙マン自慢の必殺光線。

が、ファイア二世のボディは、それをも容易く無力化したではないか!

 

落合さん「(驚愕)ああっ、何てことでしょう!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429162343j:plain

ビーコン「まさか、アニキのフラッシュが効かねぇなんて!」

ピグモン「(涙目)えう~、そんなのってないの~!」

宙マン「くッ、なんて奴だ……!」

 

ロード・ゼッド「ぬははは……これよ、こうでなくてはならん!」

ロード・ゼッド「あの破壊力、宙マンをも凌駕する頑健さ……

 流石は宇宙に轟く怪物職人・フィニスターの芸術作品じゃ。

 この素晴らしさ、我輩には最初から全て分かっておったとも!」

フィニスター「(ボソッと)……やれやれ、本当に分かっとったのかのォ!?

ロード・ゼッド「うン、何か言ったか?」

フィニスター「(慌てて)あぁ、いえいえいえ、何も何も!?」

 

……などと言う、エンケラドゥスでのやり取りの間も戦いは続き。

宙マンにとどめを刺すべく、ファイア二世が破壊熱線を放った!

だが、その攻撃は……

宙マンの防御技・プロテクションで受け止められ、無力化された!

 

ロード・ゼッド「ぬぬ、味な真似を!」

宙マン「押してダメなら何とやら。力で負けても技で勝つ!」

ロード・ゼッド「ほ、ほざくなぁぁッ!」

ゼッドの怒りそのもののように、ファイア二世の鼻先の砲門から

ダダダダダッ! と断続的に放たれる火炎弾。

その猛烈な砲火をかわして、宙マンは大空高くひらりとジャンプ!

ファイア二世「ギャゴゴゴッ!?」

宙マン「行くぞ! 宙マン・超音波ストリーム!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210718210625j:plain

空中で全身を超速回転させ、発生させた超音波を敵にぶつける大技!

宙マンの超音波ストリームが、ファイア二世を直撃し……

その体内の精密機器に干渉して、正常な稼動と連動とを乱した。

ズ、ズーンッ!

内部メカニックの機能を乱され、たまらず倒れる怪ロボット。

そして宙マンは、そこに生じた絶好のチャンスを掴んで……

遂に伝家の宝刀、伝説のスーパー剣を抜き放った!

宙マン「正義の刃、受けてみろ!

 秘剣・スーパー滝落とし!!

ザシュウッ!!

スーパー剣を抜き放ち、刀身にエネルギーを集中させ……

豪快な空中回転とともに、真っ向から振り降ろされる光の刃!

宙マンの「滝落とし」が、ファイア二世を唐竹割りに切り裂いた。

ファイア二世「ギャ……ゴガァァァ……ッ!!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

フィニスター「(がっくり膝をつき)あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ……

 ファイア二世が、ワシの自慢の芸術が……っ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211024230347j:plain

ロード・ゼッド「おにょれ、おにょれ、またしても……

 だが覚えておれよ宙マン、この仕返しは必ずしてやるぞ……!!」

 

……などと言う、ゼッド一味のいつもの負け惜しみはさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210806210319j:plain

我らが宙マンの活躍により、怪ロボット・ファイア二世は撃退され

北海道千歳市には、再び元の平和が戻ってきたのであった。

 

落合さん「どうもお疲れ様でした、お殿様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220405170851j:plain

ピグモン「宙マン、とってもかっこよかったの~」

宙マン「いやいや、私の格好なんてどうでもいいけれど……

 みんなが無事でいてくれて、それが本当に嬉しいよ。

 ……ああ、それにしても、戦いの後はいつもお腹がすくねぇ」

落合さん「お任せ下さい、すぐに美味しいご馳走をご用意いたしますわ。

 お疲れの時に「効く」のは、何と言っても肉料理……

 ステーキの歯ごたえとハンバーグの柔らかさを、ひとつの器で同時に

 食べ比べられる丼めし、などはいかがでしょうか?」

宙マン「おおっ、聞いただけで嬉しくなる料理じゃないな。

 うんうん、それ頼むよ、それを大至急!」

落合さん「(にっこり頷き)はい、かしこまりました♪」

ビーコン「ヒヒヒ、肉料理いいっスよねぇ、肉料理!

 そして食後のデザートは、オイラと落合さんがしっぽりシケこんで

 別の意味での“肉料理”を……♡」

落合さん「(ムカッ)……は ぁ !?」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428011630j:plain

落合さん「っがー、大概になさいませ、このエロ怪獣っ!!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、すっごく自然な流れだと思ったのにぃぃ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428010428j:plain

悪魔の新兵器も、卑怯な罠も……

軽~く一蹴、正義の宙マン・パワー。

さて、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?